新規開業時のトリミングサロンの価格設定の戦略

新規開業時のトリミングサロンの価格設定の戦略

「値決めは経営」と名経営者である京セラの稲盛和夫さんは言いました。

それくらいに値決めというのは経営の根幹でもあります。



当店でも最初は競合の価格を参考にしようと値決めをしようとしましたが、ネットで料金が見れる事がなかったので、今までの経験と知識でなんとなくこのくらいの価格設定でいこうと決めました。

実際に営業をしてみると、お客様から「価格が○○より高い」や「もっと安くならないの?」と言われてこともあります。

ただ、しっかりとしたサービスを提供しているのだから、値下げをするつもりはありませんでしたし、価格自体は他のお店より高くても集客ができていたので、結局は自分自身の判断を信じて良かったと思います。

トリミングサロンのコンセプト作りと差別化について

目次

トリミングサロン新規開業の価格設定の決め方の考え方について

価格設定の決め方についてはいろいろな考え方があります。

いろいろな考え方がある一方で、一番大切なのはオーナー自身がどんなお店にしていきたいのかという事です。

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価格の安いトリミングサロン・価格が高いトリミングサロン

価格の安くサービス力が高いということは成立しにくく、価格が安いのであればサービスはそこそこだという認識に自然となります。


反対に高いトリミングサロンはサービスが高いという期待感を飼い主様は思うはずです。


もちろん、価格が安くサービスも高いという場合もあるかもしれませんが、高いサービスを提供するにはやはりトリミング料金の単価に反映がされていないと、多くのお客様で賑わっていても売上としてはイマイチということになりかねません。

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トリミング料金を低く設定するのは誰も幸せになれない

価格が安いということは、効率よく売上を作る事ができないので、あなた自身の給料が安くなってしまうばかりか、スタッフの給料を上げることもしにくくなってしまいます。

そうなってしまうと、忙しい上に給料が安く人がすぐ辞めてしまうようなトリミングサロンになる可能性もあります。

待遇が悪くて人がすぐに辞めてしまうトリミングサロンは技術力や接客力も安定しないため、お客様のリピーターになる割合が低くなってしまい、価格が少し高くてもサービスが良かったり技術力の高いトリミングサロンに流れてしまう可能性が高くなります。


忙しいことと効率よく売上を作るということは全くの別問題です。


犬の頭数が年々減少している令和の時代においては、高付加価値で単価は高くなくてもいいから安くしないことは重要です。

単価が高ければそれだけ効率よく売上を作る事ができるので、スタッフの給料も上げやすくなりますし、休みもしっかりと撮る事ができます。

価格を低くするということは、最も手軽な方法かもしれませんが、ある意味では経営者が付加価値を考えることから逃げ出している逃げの方法だと言えるでしょう。

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トリミングの単価が安くても効率的に売上を作れるなら別の話

単価は安くすると誰も幸せになれないと書いてきましたが、一つだけ例外があります。

もしトリミングの単価が安かったとしても、効率を上げることで売上を伸ばす事ができます。


トリミングにかかる時間は早ければ1時間半程度で終わることもありますが、多くのトリミングサロンでは2時間〜2時間半ほどかかるケースがほとんどだと思います。

ここでは具体的な数字をもとにお話ししていきます。




トイプードルのカットが8,000円で2時間半かかるお店とトイプードルのカットが7,500円で2時間かかるお店があり、2つの店舗はどちらの方が効率よく売上を作れていると思いますか?











トイプードルのカットが8,000円で2時間半かかるお店
8,000円÷150分=53円(1分の単価)
10分当たり530円

トイプードルのカットが7,500円で2時間かかるお店
7,500円×120分=62円(1分の単価)
10分あたり620円




トリミングの単価が8,000円で2時間半かかるお店と、7,500円で2時間のお店を比較した場合、後者の7,500円で2時間でトリミングが終わる店の方が時間単価が高く、効率よく売上を作れるお店といえます。


7,500円で2時間のトリミングのお店の時間単価に追いつくためには、2時間半かかるトリミングサロンは一体いくらトリミングの単価を上げる必要があるのかというと…



9,500円÷150分=63円(1分の単価)
10分当たり630円




2時間半かかるサロンは9,500円のトリミング単価でようやく、2時間で7,500円のお店と一緒の効率に並ぶ事ができます。


もちろん、これは他店と比較をした上での効率の良さなので、トリミングは絶対に2時間半をかける必要がある店舗が効率を上げようとしても限度があります。

その場合に初めてトリミング料金の値上げという選択肢が出てくるかと思います。



トリミングサロン経営においては、ほとんどの場合目の前のトリミングの単価ばかり注目をしてしまい、それ以上に大切な時間単価は軽視されてきたと思います。

単価が安くても効率よくトリミングができるのであれば、効率を上げる努力をしたトリミングサロンの方が効率よく売上を作りやすくなるでしょう。

ちなみに、ここでいう効率というのは雑に仕上げるということではなく、無駄をなくすという意味での効率です。

もちろん、料金の設定に関しては、ただ単純に単価を上げれば売上が増えるという話ではなく、お客様がついてきてくれなければ机上の空論になってしまいます。

ここからは価格設定の考え方についてお話をしていきます。

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送迎は時間単価を下げる可能性が高い

送迎サービスを行ってるトリミングサロンは少なくありませんが、送迎料金をいただいたとしても、時間単価を下げる原因になる可能性があります。

先ほどのお店を例にしてみましょう。



トイプードルのカットが8,000円で2時間半かかるお店
8,000円÷150分=53円(1分の単価)
10分当たり530円

送迎時間往復30分
送迎料金往復1,000円

8,000円+1,000円=9,000円
9,000円で1頭のトリミングを終えて送迎で送り迎えをすると合計で3時間かかります。

9,000円÷180分=50円(1分の単価)



送迎費用を1,000円いただいたとしても、時間単価としては下げてしまいます。

もちろん、送迎がある店舗にしか絶対にお願いをしないというお客様を増やす事ができれば、時間単価を無視してでも売上を伸ばすという方法としてはメリットがあるかもしれません。

しかし、効率よく売上を作りたい場合、送迎を行うデメリット方が高くなります。

送迎に関しては時間単価を下げる以外にも、維持コストがかかるので、利益を気がつかないまま減らしているということになりかねません。

もちろん、送迎の時間を効率よく短縮する事ができれば、時間単価を維持しつつ売上を作る事ができるかもしれませんし、逆に送迎に時間がかかりすぎている場合は時間単価をさらに下げてしまう恐れがあるので、シビアに数字で管理する必要があります。

>>>【知らないとマズイ】トリミングの送迎のメリット・デメリット

送迎をしなくてもいい魅力的なお店づくりが大事

送迎をしなくても、お客様から来店をしていただけるようなお店を作る事が理想的です。

それは簡単なことではないかもしれませんが、どうやったらお客様に喜んでもらえるのか、満足してもらえるのかを考えることこそが経営だったりします。

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価格が高いと需要は少なくなっていく

あなたの地域に安売りのスーパーと高級なスーパーがあったとしたら、安売りのスーパーの方が沢山のお客様が溢れていて、高級なスーパーはお客様が少ないケースが多くなるでしょう。

価格が安い方が需要が多く、価格が高い方が需要が小さいというのは自然なことです。

単価を上げると需要が少なくなりますが、付加価値をつけることで

お客様のトリミングサロンの評価は相対評価

私は競合はあまり関係ないということを書いたこともありますが、なんだかんだでトリミングサロンは商圏の競合と比較をされた上での評価となります。

トリミングサロンは相対評価で決まるというのは覚えておいてください。

そのため、商圏の中のトリミングサロンの価格設定やサービス内容に関しては、あなたのお店の評価を左右する重要な要素になります。

例えば、あなたのお店がトイプードルカットを少し安めの6,000円で料金設定をしたとしてたとしても、商圏のトリミングサロンのA店が4,000円でやっていたら、A店に通っているお客様からすれば高い料金だと感じるはずです。

トリミングの価格というのは常に商圏の相対評価によって変わってきます。

また、価格以外ではコンセプトやサービス面が価格が高くても競合店より優れていれば、お客様にとっては高い料金を支払ってもいいと思えるかもしれません。

価格とサービスの感じ方は、お店の商圏にある競合店舗によって大きく変わってしまうので、価格の安い高いだけで評価をすることはなかなか難しかったりします。

また、商圏のトリミングサロンで技術力が高いA店というトリミングサロンがある場合、いくらあなたがカットが上手いとしても、お客様から見ればA店よりもカットは上手くないというラベルを貼られてしまいます。

お客様の見え方というのは必ず商圏の他のトリミングサロンと比べられて決定される重要な要素です。

競合より高くするのなら、競合よりも付加価値をつけたり顧客満足度を重視する

競合よりもトリミング料金を高くする場合、競合と同じサービスを提供していたら、価格が安いトリミングサロンにお客様が流れてしまうのは無理もありません。

商圏の競合よりも高い価格設定をする場合、わかりやすいメリットを打ち出すことがとても大事になります。

ここでいう分かりやすいメリットというのは、シャンプーを肌に優しいものをしようしているといったものではなく、もっと本質的にお客様の満足度に直結するものです。

価格設定はお客様に対するメッセージ

価格設定は経営者がお客様に対するメッセージです。

トリミングは相対評価だとお伝えしましたが、その競合のトリミングサロンと比べて高い価格であればカット技術やサービスに自信がありますという宣言に近いですし、競合と同じくらいの単価であれば同じ程度のサービスですと宣言しているようなものです。

価格を下げるということはカット技術やサービスに自信はないけど、価格を下げることでバランスを取るというアピール方法でもあります。



全てのお客様が全員100点をつけるトリミングサロンというのは存在しません。



なぜなら、高くても高付加価値のトリミングサロンがいいという方もいれば、とにかくサービスは最小限で低価格がいいという方がいるからです。

全てのお客様に満足してもらおうという考えは、サービスとして中途半端なものになってしまいます。


明確にどんなお客様に来店をしてもらいたいのか?ということを決めることで、コンセプトが見えてきますし、コンセプトが見えてくれば価格設定に関しても決めやすくなります。

まずはどんなコンセプトでどんなお客様に来店をしていただきたいのかを考える事が大切です。


その想いこそがお店の強いブランド力になります。

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まとめ

価格設定というのは本当に奥が深いものです。

どの価格がいいのかというのは、オーナーさんの知識や技術はもちろん、競合との比較によって決まるポジションによって大きく異なります。

最近の傾向では都心を中心にトリミング料金の上昇傾向があり、ようやくトリマーの知識や技術というのは高度な技術職なんだという意識が働いてきたのではないかと思います。

ただ、それでもやはりトリミングの単価は非常に低いと思っているので、マーケティング感覚を身につけることによって、付加価値をつけて単価を上げやすくなります。

トリミング料金の単価はただ単純に上げればいいというものではなく、単価を上げる前に効率化を図ったり、その他の販売促進で単価を上げるなどの余地も多くあります。

価格戦略がわかると経営がさらに楽しいものになるかと思います。

トリミングサロンの経営は考えれば考えるほど楽しいものです。

それはきっと考えた先にお客様の喜びにつながるからなのかもしれません。

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