トリミングサロンを開業するために必須となる動物取扱責任者の資格。
「どの認定資格を取ればいいのか」「合格率はどれくらいで、難しいのか」と悩んでいる方は本当に多いです。 資格の種類が多すぎて、調べているうちに何が正解か分からなくなってしまう方もよく見かけます。
私自身、和歌山県と東京世田谷区のDOG SALON FREESIAで2店舗のトリミングサロンを経営しながら、これまでに1,000件以上のトリマーさんの独立開業相談を受けてきました。 資格選びの相談もかなりの数を受けていて、その中でおすすめできる資格はある程度絞り込めています。
経営の傍ら、Instagramではトリマーさん向けに独立開業や経営のリアルを発信していて、現在5,500人以上のトリマーさんにフォローしていただいています。→ @yu_trimmer のInstagramを見てみる
私自身も愛玩動物飼養管理士1級を取得しているので、その実体験も交えながら、各認定資格の合格率・費用・難易度を比較していきます。 読み終わるころには「自分はどの資格を取ればいいか」が決まっているはずです。
動物取扱責任者の認定資格、どれを取ればいいのか
トリミングサロンを開業するには、動物取扱責任者の資格要件を満たす必要があります。
動物取扱責任者になるには、半年以上の実務経験に加えて、1年以上教育する学校を卒業しているか、認定されている資格を取得していることが条件です。
専門学校を卒業している方はすでに要件を満たしている場合が多いですが、卒業していない方や、社会人からトリマーを目指した方は、認定資格を取得する必要が出てきます。
ただ、認定資格の種類が多すぎて「どれを取ればいいか分からない」という相談をよく受けます。
私自身は愛玩動物飼養管理士1級を取得しています。 その経験も踏まえて、各認定資格の合格率・費用・難易度を比較していきます。
→ 動物取扱責任者の要件について詳しくはこちら https://trimal.jp/archives/16
主要な認定資格の合格率と費用の一覧
資格を取得する際は、トリミングサロン開業の認定資格として適用されるかを、事前に管轄の動物行政担当部署に必ず確認してください。 以下の資格は生体販売や訓練などには適用されない場合もあるので注意が必要です。
※費用は変更されている場合があります。最新の情報は各団体の公式サイトでご確認ください。
| 資格名 | 団体名 | 合格率 | 費用 | 補足 |
|---|---|---|---|---|
| 愛玩動物飼養管理士(1級・2級) | 公益社団法人 日本愛玩動物協会 | 1級:79% 2級:80〜83% | 1級:受講料34,000円、認定登録料20,000円 2級:32,000円、認定登録料8,000円 | |
| 愛犬飼育管理士 | 一般社団法人 ジャパンケネルクラブ | 80%〜90% | 受講料7,300円(テキスト代含む)、試験受験料7,000円、資格登録料3,400円 | KC非会員の場合は別途入会金2,000円+年会費4,000円が必要。さらに資格維持に毎年4,000円の会費がかかる |
| 愛護動物取扱管理士 | 一般社団法人 新潟県動物愛護協会 | 不明 | 不明 | |
| 家庭犬訓練士(初級、中級、上級、教師) | 一般社団法人 全日本動物専門教育協会 | 家庭犬訓練士初級 90.4% | 【初級】受験料15,750円、登録料21,000円【中級】受験料15,750円、登録料21,000円【上級】受験料21,000円、登録料31,500円【師範】受験料31,500円、登録料52,500円 | |
| 家庭動物管理士 | 一般社団法人 全国ペット協会 | 80%〜90% | 3級受験料10,000円、受講料20,000円、登録料10,000円 | 2級は現在新規募集を停止中。資格は2年ごとに更新が必要で更新料10,000円 |
| 公認訓練士 | 一般社団法人 ジャパンケネルクラブ | 不明 | 受験料5,400円、入会金2,000円、会費1年分4,000円、継続会費で4,000円、 | |
| 動物介在福祉士(初級、中級、上級、教師) | 一般社団法人 全日本動物専門教育協会 | 動物介在福祉士初級 93.8% | 初級の受験料15,750円、登録料21,000円、中級も同額、上級・教師は別料金と案内しています。 | |
| 動物臨床助士®(旧ライセンス名称:動物看護師)」 | 一般社団法人 全日本動物専門教育協会 | 動物臨床助士®初級 51.9% | 初級の受験料15,750円、登録料21,000円、中級も同額、上級・教師は別料金と案内しています。 | |
| トリマー(初級、中級、上級、教師) | 一般社団法人 全日本動物専門教育協会 | トリマー初級85.6% | 【初級の受験料15,750円、登録料21,000円、中級も同額、上級・教師は別料金と案内しています。31,500円【師範】受験料31,500円、登録料52,500円 | |
| ペットシッター士 | NPO法人 日本ペットシッター協会 | 90%以上 | 通信講座コース受講料金71,500円 |
おすすめは愛玩動物飼養管理士2級か愛犬飼育管理士
結論から言うと、トリミングサロンの開業目的であれば、愛玩動物飼養管理士2級か愛犬飼育管理士のどちらかを取得するのがおすすめです。
理由は3つあります。
1つ目は、どちらも合格率が80%以上で、しっかり勉強すれば落ちる試験ではないこと。
2つ目は、動物取扱責任者の資格要件としてほぼすべての自治体で認められていること。
3つ目は、知名度が高く、取得者が多いので情報も豊富であること。
この2つで迷った場合、費用を抑えたいなら愛犬飼育管理士の方が安いです。 愛犬飼育管理士は講習と試験が1日で完結するので、時間的にも効率がいいです。 トータル費用は約17,700円+JKC入会金・年会費で約23,700円。
一方、愛玩動物飼養管理士は通信教育で学んでから試験を受ける形式で、申し込みから試験まで7〜10ヶ月ほどかかります。 費用も2級で合計40,000円と愛犬飼育管理士より高めですが、学べる内容は幅広く、犬以外の動物についても体系的に学ぶことができます。
【実体験】愛玩動物飼養管理士1級を取得してみて
私自身は愛玩動物飼養管理士1級の資格を取得しました。
正直な感想として、しっかりとテキストを読んで課題報告問題をやっておけば、合格する難易度です。落とす試験にはなっていない印象でした。
ただし、犬以外の範囲が意外と広いです。 愛玩動物飼養管理士という名前から犬のことだけ勉強すると思いがちですが、鳥やウサギ、爬虫類なども範囲に含まれています。 犬以外の動物にあまり興味がない方にとっては、覚えるのが少し大変に感じるかもしれません。
とはいえ、合格率は約80%なので、テキストに沿って勉強をしていれば問題なく合格できるレベルです。
すでに動物関連の資格を持っている方は「ライセンス切り替え制度」も選択肢になる
すでにJKCのトリマーライセンスや他の動物関連の資格を持っている方は、全日本動物専門教育協会(SAE)のライセンス切り替え制度を利用できる場合があります。
これは、現在持っている資格をSAEの公的ライセンスに切り替えられる制度で、切り替え後のライセンスは動物取扱責任者の要件として認められています。
試験を受け直す必要がなく、申請書類と職務経歴書の提出で審査が行われるので、すでに実務経験がある方にとっては最短ルートになる可能性があります。
費用は申請料6,150円(税込)+登録料21,000円〜31,500円(税込)で、審査には2週間ほどかかります。 SAEの会員であることが利用条件なので、事前に入会が必要です。
専門学校を卒業せずに実務だけでトリマーとして働いてきた方にとっては、かなり使える制度です。
詳細は全日本動物専門教育協会の公式サイトで確認してください。 https://www.zennitido.com/license/exchange_system/
資格取得の前に必ず確認しておくこと
資格を取得する前に、以下の2点は必ず確認しておいてください。
1つ目は、取得しようとしている資格がトリミングサロン開業の動物取扱責任者として認められるかどうかです。
認定資格の中には馬の調教師など、トリミングサロンの「保管」の種別には適用されないものもあります。 事前に管轄の動物行政担当部署に確認をしておくのが確実です。
2つ目は、資格だけでなく半年以上の実務経験(または1年以上の飼養経験)が必要だということです。
以前は資格だけで動物取扱責任者になれましたが、法改正により資格+実務経験の両方が必要になりました。 すでにトリミングサロンで常勤として半年以上働いている方は問題ありませんが、これから実務経験を積む方はスケジュールに余裕を持って動いた方がいいです。
→ トリミングサロン独立開業の手続きについて https://trimal.jp/archives/980
→ 【完全マニュアル】トリミングサロン独立開業をするためにやること https://trimal.jp/archives/1044
まとめ
動物取扱責任者の認定資格は種類が多くて迷いがちですが、トリミングサロンの開業目的であれば、愛玩動物飼養管理士2級か愛犬飼育管理士のどちらかを選べば間違いないです。
どちらも合格率80%以上で、しっかり勉強すれば合格できる難易度です。
費用を抑えたいなら愛犬飼育管理士(約23,700円・1日で完結)、幅広い知識を学びたいなら愛玩動物飼養管理士2級(約40,000円・7〜10ヶ月)を選びましょう。
すでに別の動物関連資格を持っている方は、SAEのライセンス切り替え制度も検討してみてください。
資格は取得して終わりではなく、開業の手続きの中の1ステップです。 資格取得に必要以上の時間をかけるより、取れるものをサクッと取って、テナント探しや資金計画に時間を使った方が開業はうまくいきます。
→ 開業全般の相談について詳しくはこちら https://trimal.jp/archives/1442








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