トリミングサロンの開業準備スケジュール|12か月前から当日まで

物件や内装が遅れると、第一種動物取扱業の登録や写真撮影も遅れます。店舗用の電話番号が決まらなければ、ホームページや決済サービスの店舗情報も確定できません。このように、一つの遅れが後ろの準備へ連鎖します。

結論からいうと、トリミングサロンの開業準備は、余裕をもつなら12か月前から始めるのがおすすめです。動物取扱責任者の要件をすでに満たし、物件が早く決まる場合は、複数の準備を並行して6か月程度へ圧縮できることもあります。

私は和歌山と東京で2店舗のトリミングサロンを開業し、11年間サロンを経営してきました。また、トリミングサロン専門のホームページ制作140店舗以上、開業相談1,000件以上に関わっています。この記事では、その経験と2026年8月時点の公式情報をもとに、開業日から逆算した準備スケジュールをまとめます。

資格・資金・物件・集客など、開業準備の内容を詳しく確認したい方は、先にトリミングサロン開業完全ガイドをご覧ください。この記事では、各項目の詳しい説明を繰り返さず「いつ進めるか」に絞ります。

目次

トリミングサロン開業準備の早見表

まずは全体の流れです。ここで示す月数は法律上の一律の期限ではなく、Trimalが開業相談の経験から考える安全側の目安です。自治体、物件、融資、工事内容によって前後します。

時期この時期に進めること
12〜10か月前動物取扱責任者の要件確認、コンセプト、概算の資金計画
9〜7か月前物件探し、用途地域等の確認、融資の事前相談、屋号の検討
6〜4か月前自治体への事前相談、物件契約、内装設計・設備発注、ホームページ制作依頼
3か月前店舗情報の整理、LINE公式開設、登録書類と集客媒体の準備
2か月前店舗用スマホ・電話番号、Airペイ申込み、料金・予約導線の確定
1.5〜1か月前施設完成、自治体と調整した日程で申請・立入調査、登録完了後に広告公開・予約受付・HPの取材撮影
2週間前電話・LINE・予約・決済・レジを実際の営業と同じ流れでテスト。HP完成
前日備品、釣り銭、通信、鍵、看板、初日の予約内容を最終確認
表は横にスクロールして確認できます。

準備の実質的な締め切りは、開業日ではありません。ホームページやチラシを公開する日、予約受付を始める日までに、店舗情報・連絡先・登録・予約方法を整える必要があります。

開業12〜10か月前|最初に責任者要件と資金を確認する

最初に確認するのは物件ではなく、開業予定者が動物取扱責任者の要件を満たせるかです。ここを満たしていないと、物件や内装が完成しても第一種動物取扱業の登録を進められません。

獣医師または愛玩動物看護師の免許がある場合を除き、実務経験または自治体が同等と認める飼養従事経験に加えて、対象となる教育機関の卒業や資格試験等が必要です。認められる経験・学校・資格は自治体によって確認が必要なため、詳しくはトリミングサロン開業に必要な資格の記事と、開業予定地の窓口で確認してください。

要件に問題がなければ、どのようなお客様と犬を対象にし、何頭を受け入れ、どの価格帯で運営するかを決めます。この段階では細かな備品まで決める必要はありませんが、物件の広さや家賃上限を判断できる程度まで数字を置きます。

  • 自宅・テナント・トリミングカーなど、開業形態を決める
  • 1人運営か、スタッフを採用するか決める
  • 1日の受入頭数、料金、営業時間の仮案を作る
  • 物件・内装・設備・運転資金の概算を作る

資金額や開業形態ごとの違いはトリミングサロン開業資金のリアル、独立を決めた後の考え方はトリマーが独立して開業するまでの記事で詳しく解説しています。

開業9〜7か月前|物件と融資を並行して進める

物件探しは、条件の良い物件がいつ出るか読みにくいため、早めに始めます。ただし、家賃や見た目だけで契約してはいけません。トリミングサロンとして営業できるかを確認してから契約します。

  • 用途地域、建物用途、管理規約上の制限
  • 貸主からトリミングサロン営業の承諾を得られるか
  • 給排水、換気、防音、電気容量を確保できるか
  • 第一種動物取扱業の施設基準を満たせるか

自宅サロンを含む用途地域の注意点は自宅トリミングサロンを開業できない地域の記事で解説しています。候補物件が見つかったら、契約前に自治体の建築担当と動物取扱業の担当窓口へ相談してください。

融資を利用する場合は、物件が決まるまで何もしないのではなく、この時期から金融機関へ事前相談しておきます。正式な審査には見積書や事業計画などが必要になりますが、必要資料と進め方を早めに把握できます。融資の詳しい流れは日本政策金融公庫の創業融資の記事をご覧ください。

開業6〜4か月前|内装・設備・ホームページを動かす

物件のめどが立ったら、内装工事の前に自治体へ図面を持参し、施設基準や申請の流れを確認します。工事後に不足を指摘されると、追加工事と開業延期につながるためです。

同時に、内装設計、シャンプー台、ドライヤー、トリミングテーブル、ケージ、空調、洗濯設備などを決めます。特注品や在庫状況によって納期が変わるため、設備の発注期限も施工会社と共有します。電気容量についてはトリミングサロンに必要な契約アンペア数も参考にしてください。

ホームページは内装完成を待たずに始める

ホームページを業者へ依頼する場合は、開業6〜4か月前を目安に相談・発注します。店舗が完成してから依頼すると、写真撮影、料金表、文章、予約導線の準備が開業直前へ集中します。

内装写真がなくても、ページ構成、店舗コンセプト、料金、予約方法、よくある質問などは先に作れます。完成後に写真と最終情報を差し替えれば、開業前の告知へ間に合わせやすくなります。詳しくはトリミングサロンのホームページ集客の記事をご覧ください。

Trimalでは、トリミングサロン専門のホームページ制作に加え、開業準備や集客についても相談を受けながら制作しています。開業日から逆算して進めたい方は、ホームページ制作サービスをご確認ください。

開業3か月前|店舗情報とLINE公式を先に整える

開業3か月前には、ホームページ、Instagram、Googleビジネスプロフィール、LINE公式、決済サービスへ入力する店舗情報を一つにまとめます。媒体ごとに違う情報を入力すると、後から何を修正したか分からなくなるためです。

  • 正式な店舗名と読み方
  • 住所と建物名の表記
  • 電話番号の決定期限
  • 営業時間と定休日
  • 料金、メニュー、対象犬種
  • 予約方法とキャンセル規定
  • 開業予定日と予約受付開始日

LINE公式は3か月前から準備する

LINE公式アカウントの開設自体は短時間でもできますが、プロフィール、あいさつメッセージ、予約方法、自動返信、リッチメニューまで整えるには時間がかかります。Trimalでは、開業3か月前から少しずつ準備することをおすすめしています。

開業支援をしていると、内装が完成した後に写真撮影、料金表、予約受付、各種申請が一気に重なるケースが多くあります。店舗写真がなくても作れるプロフィールや自動返信は、先に終わらせておく方が安全です。

LINE公式アカウントは、個人のLINEアカウントまたはメールアドレスで登録したビジネスIDから作成できます。メールアドレスで登録する場合はSMSまたは電話による認証が行われますが、この認証番号と、お客様へ公開する店舗電話番号は別のものです。店舗専用スマホの契約を待たずに準備を始められます。

なお、現在は新規開設時にビジネスマネージャー組織との接続または組織作成も必要です。開設方法はLINEヤフーの公式マニュアル、開業後の使い方はトリミングサロンのLINE公式活用方法をご覧ください。

ホームページ・Instagram・Googleマップは非公開で準備する

この時期から、ホームページの文章、Instagramの投稿、Googleビジネスプロフィールの情報を準備します。Googleビジネスプロフィールは開業予定日を1年先まで設定でき、オーナー確認後は開業日の90日前から表示できる仕組みがあります。

ただし、オーナー確認方法は一律にハガキではありません。電話、メール、動画、郵送など、プロフィールに表示された方法で確認します。動画確認では看板や所在地、設備、管理権限を示す必要があるため、店舗の状況によっては内装完成後になる場合があります。詳しい登録方法はトリミングサロンをGoogleマップに載せる方法をご覧ください。

第一種動物取扱業の広告には、登録番号を含む法律で定められた8項目の表示が必要です。自治体によっては、チラシやインターネットで宣伝する前に登録を受けるよう明確に案内しています。登録前は原稿やページを非公開で作り、公開日と予約受付開始日は開業予定地の窓口へ確認してください。

開業2か月前|店舗用スマホとAirペイを申し込む

店舗用スマホは電話番号を公開する前に決める

店舗用スマホは、料金プランや端末を選ぶだけなら開業直前でも契約できます。しかし、店舗電話番号はホームページ、Googleビジネスプロフィール、LINE公式、決済サービス、チラシなどへ掲載するため、遅くとも情報を公開する前までに決めておくのがおすすめです。

実際には、店舗用スマホの契約が開業直前になり、それまで必要なサービスを個人の携帯番号で登録する方も少なくありません。この方法で進める場合は、個人番号をお客様向けに広く公開せず、店舗番号取得後に変更できるサービスかを先に確認してください。

店舗用スマホには、電話だけでなく、LINE公式、予約管理、決済、Instagram、写真撮影など複数の役割があります。スタッフも使う場合は、個人のApple IDやGoogleアカウントと混ぜず、店舗用アカウントを分けて管理します。

Airペイは1.5〜2か月前の申込みが安全

Airペイ公式では、申込みから利用開始まで約2週間が目安と案内されています。ただし、追加資料への対応や審査状況によって時間が延びることがあり、QRコード決済はブランドによって通常13〜30営業日程度かかります。

開業初日からカード・電子マネー・QRコード決済をできるだけそろえたい場合は、開業1.5〜2か月前の申込みが安全です。1か月前でも間に合う可能性はありますが、書類の追加提出や混雑があると、一部ブランドが開業日に間に合わない場合があります。

外観や内装が未完成でも申し込める

Airペイは、オープン前で店舗が完成していない状態でも申込みできます。申込画面で未開店・店舗未完成を選ぶと、店舗写真の代わりに、賃貸借契約書、オープン広告、求人広告などの資料を提出できます。第一種動物取扱業の登録前に申し込む場合は、公開済みの広告ではなく賃貸借契約書を使う方が、広告規制との衝突を避けやすくなります。

店舗URLがない場合は、店舗名・住所・電話番号が分かる資料と、サービス内容・料金・提供方法が分かる資料も必要です。申込内容によって追加書類を求められることがあるため、Airペイ公式の必要書類を確認してから申し込みます。

どの決済サービスを選ぶか迷っている方は、Airペイ・Square・stera terminalの比較記事もあわせてご覧ください。

開業1.5〜1か月前|施設を完成させて登録と予約受付へ進む

開業1〜1.5か月前までに内装と設備を立入調査できる状態へ整えるのが、Trimalの推奨スケジュールです。これは全国一律の法定期限ではありませんが、設備の手直しや調査日程の変更に対応する余白を確保できます。

第一種動物取扱業は、一般的に申請書類の提出、施設の立入調査、登録番号の発行という流れで進みます。正式な申請受付の時期や必要書類は自治体によって異なるため、3か月前の事前相談で日程を確認しておきます。

登録が完了し、登録番号が発行される前に営業を始めることはできません。登録証の紙が後日届く自治体もあるため、「登録証が届いた日」ではなく、登録完了と営業開始可能日を窓口へ確認してください。詳しい手続きはトリミングサロン開業の手続き一覧で解説しています。

登録と公開時期を確認できたら、ホームページ、Googleビジネスプロフィール、Instagram、チラシへ登録番号等を記載し、予約受付を始めます。同時に料金、キャンセル規定、初回来店時の持ち物、ワクチン確認、持病や投薬の確認方法も公開します。

開業2週間前〜前日|お客様と同じ操作でテストする

アカウントを作成し、端末を置いただけでは準備完了ではありません。開業2週間前からは、実際のお客様が予約して来店し、会計する流れを最初から最後まで試します。

  • 店舗電話への着信、折り返し、留守番電話
  • お客様側のスマホからLINE友だち追加、あいさつメッセージ、自動返信
  • ホームページ・Instagram・Googleマップから予約画面への移動
  • 予約内容の通知、変更、キャンセル
  • 少額のテスト決済、取消し、返金、レシート
  • 決済端末、スマホ・iPad、POSレジ、プリンターの接続
  • Wi-Fiが切れた場合の連絡・会計方法

スタッフがいる場合は、全員が同じ操作をできるか確認します。前日には備品、タオル、消耗品、釣り銭、鍵、防犯、看板、空調、初日の予約内容まで確認します。

準備期間が6か月しかない場合の優先順位

動物取扱責任者の要件をすでに満たし、物件候補が見つかっている場合は、準備期間を6か月程度へ圧縮できることがあります。ただし、すべてを後ろへずらすのではなく、次の順番で並行して進めます。

  1. 最初の2週間:責任者要件、物件の法規、資金上限を確認する
  2. 1〜2か月目:物件、融資、自治体相談、内装設計を同時に進める
  3. 2〜3か月目:内装工事と並行し、ホームページ、LINE公式、店舗情報を作る
  4. 4か月目:店舗用スマホ、Airペイ、登録書類を準備する
  5. 5か月目:施設完成、立入調査、登録後の広告公開・予約受付を進める
  6. 6か月目:予約・電話・LINE・決済をテストし、開業する

短縮しにくいのは、責任者要件、物件が営業可能かの確認、融資審査、内装工事、第一種動物取扱業の登録です。LINE公式やホームページの文章など、店舗完成前にできる作業を先に終わらせることが重要です。

トリミングサロンの開業準備に関するよくある質問

トリミングサロンの開業準備は何か月前から始めればよいですか?

余裕をもつなら12か月前からがおすすめです。動物取扱責任者の要件をすでに満たし、物件が早く決まる場合は、複数の準備を並行して6か月程度へ圧縮できることもあります。最初に責任者要件と物件の法規を確認してください。

店舗用スマホがなくてもLINE公式アカウントを作れますか?

作成できます。個人のLINEアカウントまたはメールアドレスで登録したビジネスIDから開設できます。メール登録時のSMS・電話認証に使う番号と、お客様へ公開する店舗電話番号は別のものです。

外観や内装が完成していなくてもAirペイへ申し込めますか?

申し込めます。未開店・店舗未完成を選び、賃貸借契約書、オープン広告、求人広告などの資料を提出します。店舗URLがない場合は、店舗名・住所・電話番号と、サービス内容・料金が分かる資料も必要です。

第一種動物取扱業は開業何か月前に申請しますか?

全国共通で「何か月前」と決まっているわけではありません。3か月前までに自治体へ事前相談し、申請受付と立入調査の日程を確認します。Trimalでは、開業1〜1.5か月前までに施設を調査できる状態へ整えるスケジュールをおすすめしています。

ホームページやInstagramは登録前から公開できますか?

制作や投稿準備は登録前から進められます。ただし、第一種動物取扱業の広告には登録番号等の表示が必要です。サービス・料金・予約受付を含むページや投稿の公開時期は、開業予定地の担当窓口へ確認してください。

まとめ|開業日ではなく予約受付開始日から逆算する

トリミングサロンの開業準備は、余裕をもつなら12か月前から始めます。ただし、すべての作業に12か月かかるわけではありません。遅れると後ろの工程が止まるものから優先します。

  • 最初に動物取扱責任者の要件と物件の法規を確認する
  • 6〜4か月前に内装・設備・ホームページを動かす
  • 3か月前に店舗情報とLINE公式を準備する
  • 2か月前に店舗用スマホとAirペイを申し込む
  • 施設完成後に立入調査と登録を進め、公開・予約受付時期を確認する
  • 2週間前から、お客様と同じ操作で電話・予約・決済をテストする

特に開業直前は、内装の手直し、写真撮影、申請、予約対応が重なります。店舗が完成していなくてもできる準備を先に終わらせておくと、最後の1か月に余裕を残せます。


Instagramの@yu_trimmerでは、トリミングサロンの開業・経営・集客について、実際のサロン経営とホームページ制作の経験をもとに発信しています。開業時期がまだ決まっていない方も、必要な情報を見逃さないようフォローしておいてください。

※第一種動物取扱業、税務、Googleビジネスプロフィール、LINE公式アカウント、Airペイに関する情報は、2026年8月19日時点の公式情報を確認しています。自治体や申込状況によって手続きが異なるため、実際の申請前に開業予定地の窓口と各サービスの最新情報をご確認ください。個人事業として開業する場合は、開業届・青色申告承認申請など開業後の手続きもあります。詳しくはトリミングサロン開業の手続き一覧をご覧ください。

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