トリマーの年収はいくら?平均402.7万円・独立後1,000万円超の条件|サロン経営者が解説

トリマーの年収はいくら?平均402.7万円・独立後1,000万円超の条件

トリマーとして働いていて、「このまま雇われで働き続けたら年収はどうなるんだろう」「独立したら年収は上がるのか」と気になっている方は多いかと思います。

結論から言うと、雇われトリマーの平均年収は402.7万円です。 独立開業した場合は、やり方次第で500万〜1,000万円以上も現実的に目指せます。

ただし、独立すれば必ず年収が上がるわけではないです。 私自身、和歌山で1店舗目を開業したときの初月の売上は8万円くらいでした。そこから少しずつ積み上げて、最終的にはトリマー3名体制で2ヶ月先まで予約が満員になりました。

2店舗目の東京世田谷区では、プードルカットの単価を1.4万円〜1.5万円に設定して、開業から1年ほどで4週間待ちのお店になり、スタッフを雇用するまでになりました。

この記事では、1,000件以上の独立開業相談を受けてきた経験をもとに、雇われトリマーと独立トリマーの年収をそれぞれ解説していきます。

独立後の収入を実現するには、開業前の準備がそのまま土台になります。これから開業を考えている方は、トリミングサロン開業準備の全体像もあわせてご覧ください。

Instagram(@yu_trimmer)では5,500人以上のトリマーさんに独立開業や経営のリアルを発信しています。
@yu_trimmer のInstagramを見てみる

目次

雇われトリマーの平均年収は実際どれくらいか

雇われで働いているトリマーの年収について、もう少し詳しく見ていきます。

厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」によると、トリマー等が属する職業分類の平均年収は402.7万円、求人賃金は月額20.9万円とされています。 ただし、この402.7万円はトリマーという職業だけを完全に切り出した統計ではなく、近い職業をまとめた分類の数値であり、またボーナスや手当を含んだ年収換算のため、月給ベースで考えると印象が変わります。

実際の求人を見ると、月給の基本給は18万〜25万円くらいが多いです。 ボーナスがしっかり出る大手チェーンや都市部のサロンであれば平均値の402.7万円前後に届くこともありますが、個人経営でボーナスなしの場合は年収250万〜300万円程度になることも珍しくありません。

つまり「平均年収402.7万円」という数字だけ見ると悪くないように思えますが、実際にこの水準を超えているトリマーは決して多くないというのが現場の実感です。

正直に言うと、雇われトリマーの給与水準は決して高くはないです。 だからこそ、独立開業を考える方が多いんだと思います。

独立したら年収はいくらになるのか

ここからが本題です。

独立した場合にまず把握すべきなのは、売上から経費を差し引いた「事業利益(税引前)」です。 以下でシミュレーションする金額は、税金や社会保険料を差し引く前の事業利益である点にご注意ください。 売上の計算はシンプルで、以下の計算式で出すことができます。

営業日数 × 1日の頭数 × トリミング単価 = 月商

まずはオーナー1人で営業する場合で計算してみます。

1人で営業した場合の事業利益シミュレーション(税引前)

営業日数:22日(週2日休み) 1日のカット頭数:3頭 平均単価:9,000円

22日 × 3頭 × 9,000円 = 59.4万円/月

ここから経費を引きます。

家賃:12万円 光熱費・シャンプー代・消耗品など:8万円

月の経費合計:約20万円 月の事業利益:59.4万円 − 20万円 = 39.4万円 年間事業利益:39.4万円 × 12ヶ月 = 472.8万円

雇われトリマーの平均年収402.7万円と単純比較すると70.1万円ほど上回る計算ですが、これはあくまで税引前の事業利益であり、ここからさらに税金や社会保険料を差し引いた「手取り」で比較する必要がある点は後述します。

ただし、これは毎日3頭の予約がきっちり入った場合の数字です。 当日キャンセルや予約が埋まらない日もあるので、実際にはここから少し下がると思ってください。

また、この試算には決済手数料、広告費、予約システムなどのツール利用料、税理士・会計士への支払い、修繕費、設備の減価償却、保険料、税金や社会保険料などは含まれていません。 フォトブースにこだわったり、駐車場を借りていたりすると、もう少し経費がかかりますし、業態によってはさらに費用がかかる場合もあります。

単価が変われば事業利益はかなり変わる

上の計算は単価9,000円でしたが、単価が変わると事業利益は大きく変わります。

単価7,000円の場合: 22日 × 3頭 × 7,000円 = 46.2万円/月 経費15万円を引いて月の事業利益は31.2万円 年間事業利益は374.4万円

単価12,000円の場合: 22日 × 3頭 × 12,000円 = 79.2万円/月 経費15万円を引いて月の事業利益は64.2万円 年間事業利益は770.4万円

単価が3,000円違うだけで、年間の事業利益は200万円以上変わります。

私の2店舗目はプードルカットの単価を1.4万円〜1.5万円に設定しています。 もちろん、ただ高い単価をつければいいわけではないです。仕上がり、接客、空間、写真、全部含めて「この店にお願いしたい」と思ってもらえる価値があることが大切です。

料金設定や売上の作り方については、以下の記事でも詳しく書いています。

→ トリマー1人で月商120万円を達成しました https://trimal.jp/archives/1557

独立後の事業利益は「手取り」で考えないと危険

もうひとつ、独立前に知っておいた方がいいのは、独立後の「事業利益」と実際に手元に残る「手取り」は全然違うということです。

雇われで働いていたときは、社会保険料も税金も給料から天引きされていたので、あまり意識していなかった方が多いと思います。

でも独立すると、これを全部自分で払わなければいけません。

国民健康保険料、国民年金、所得税、住民税、個人事業税など、独立後は多くの税金・社会保険料を事業利益の中から自分で負担することになります。 金額は家族構成、お住まいの自治体、控除の有無などによって大きく変わるため一律には示せませんが、事業利益の中からまとまった負担が発生することは必ず想定しておく必要があります。

つまり、事業利益がそのまま手取りになるわけではなく、実際の手取り額は条件によって大きく異なります。

雇われ時代の平均年収402.7万円と比べると、手取りベースではそこまで大きく変わらないケースもあり得ます。

さらに独立すると、会社が半分負担してくれていた社会保険が全額自己負担になります。 将来の年金額も、厚生年金から国民年金に変わるので下がります。

だから独立の判断は、売上や事業利益のシミュレーションだけではなくて、手取りベースで考えることが大事です。

この辺りは意外と盲点なので、「独立したら年収が上がる」という話だけ聞いて動くのは少し怖いです。 もちろん、軌道に乗れば雇われ時代より手取りが増える可能性は十分にあります。 ただ、最初の1〜2年は手取りベースで雇われ時代とそこまで変わらない、くらいの覚悟で計画を立てておいた方が安全です。

【実体験】初月の売上8万円からのスタート

ここで大事なことをお伝えしておくと、開業初月からこの計算通りの売上が出るわけではないということです。

私の1店舗目(和歌山)の月商の推移は、ざっくりこんな感じでした。

1ヶ月目:約8万円
3ヶ月目:約20万円
6ヶ月目:約35万円
12ヶ月目:予約がほぼ埋まる状態

最初の3ヶ月は本当に苦しかったです。 お客様が少ない日は1頭しか予約が入らない日もあって、空いた時間に何をすればいいか分からなくなることもありました。

そこから少しずつリピーターを積み上げて、半年を過ぎたあたりから「来月も予約が入っている」という安心感が出てきました。 1年ほどかけてようやく予約でいっぱいになって、最終的にはトリマー3名体制で2ヶ月先まで予約が満員になりました。

だから、事業利益のシミュレーションだけ見て「独立したら472.8万円か、雇われより全然いいな」と思うのは少し危険です。 軌道に乗るまでの運転資金や生活費も含めて、開業前にしっかり資金計画を立てておくことが大事です。

→ トリミングサロンを独立開業をするために大切な自己資金の考え方 https://trimal.jp/archives/429

1人営業の事業利益には天井がある

ここまで1人営業の事業利益を計算してきましたが、正直に言うと、1人でできる売上には限界があります。

1日にカットできる頭数は、どんなに頑張っても3〜4頭が現実的なラインです。 営業日数を増やせば売上は上がりますが、週1休みや休みなしで働くのは体力的にもメンタル的にも長続きしません。

私の2店舗目でも、開業当初は週1休みで月商120万円を達成しましたが、正直なところ体への負担がかなり大きかったです。 週2日休みに戻したら売上は下がりますが、それでも長く続けていくなら休みは確保した方がいいです。

では、1人営業のまま事業利益を上げるにはどうすればいいか。方法は3つあります。

1つ目は単価を上げること。 これが一番シンプルで効果が大きいです。 単価を1,000円上げるだけで、月22日×3頭で月に6.6万円、年間で約80万円の事業利益アップになります。

2つ目は物販を取り入れること。 シャンプーやおやつなどの物販は、トリミングの売上とは別に利益を積み上げることができます。 1頭あたり500円〜1,000円の物販が売れるだけでも、月に数万円の上乗せになります。

3つ目はオプションメニューを増やすこと。 歯磨き、ハーブパック、マイクロバブルなど、オプションを追加してもらえれば客単価が上がります。 お客様にとっても選択肢が増えることで満足度が上がりやすいです。

ただし、この3つをやっても1人営業だと事業利益700万〜800万円あたりが現実的な天井だと思います。 それ以上を目指すなら、スタッフの雇用が選択肢に入ってきます。

スタッフを雇用すると事業利益はさらに上がる

1人で営業した場合の事業利益は472.8万円(税引前)。 ここからさらに事業利益を増やすには、スタッフを雇用して売上を増やすという選択肢があります。

2人で営業した場合の事業利益シミュレーション(税引前)

既卒の即戦力トリマーを1名採用したとして計算します。

営業日数:22日 1日のカット頭数:6頭(2人で3頭ずつ) 平均単価:9,000円

22日 × 6頭 × 9,000円 = 118.8万円/月

固定費(家賃・光熱費等):20万円 スタッフ給料(社保・賞与込み):30万円

月の事業利益:118.8万円 − 20万円 − 30万円 = 68.8万円 年間事業利益:68.8万円 × 12ヶ月 = 825.6万円

1人のときの事業利益(472.8万円)から、352.8万円アップする計算です。

ただし、スタッフの給料30万円(社保・賞与込み)は決して高い設定ではないです。 都心部だとトリマーの採用自体が難しく、経験者の場合、最低でも25万円以上の月給設定にしないと応募すら来ないという状況をよく聞きます。 社会保険や交通費、賞与まで含めると、実際の人件費はもっとかかるケースもあります。

3人で営業した場合の事業利益シミュレーション(税引前)

さらにもう1名採用して、3人体制にした場合。

営業日数:22日 1日のカット頭数:9頭(3人で3頭ずつ) 平均単価:9,000円

22日 × 9頭 × 9,000円 = 178.2万円/月

固定費:25万円 スタッフ給料:30万円 × 2名 = 60万円

月の事業利益:178.2万円 − 25万円 − 60万円 = 93.2万円 年間事業利益:93.2万円 × 12ヶ月 = 1,118.4万円

単価9,000円でも、3人体制なら事業利益1,000万円超えが見えてきます。

ただし、スタッフの給料をもう少し現実的に考えて、1人あたり40万円(社保・賞与・交通費込み)で計算すると、

月の事業利益:178.2万円 − 25万円 − 80万円 = 73.2万円 年間事業利益:73.2万円 × 12ヶ月 = 878.4万円

それでも878.4万円は十分に高い数字です。

雇用するなら、3人体制が効率のバランスが良い

個人的には、1つのお店にトリマー3名が在籍しているのが一番効率が良いと思っています。

理由としては、1人が月66頭をこなすとすると、3人で月200頭ほどの予約が必要になります。 商圏の中で毎月200頭を集め続けるのは想像以上に大変ですが、しっかり集客の仕組みを作れれば不可能ではないです。

ただ、それ以上の人数になると、1つの商圏で集客を続けるのが難しくなってきます。 4人目を増やすなら、別の地域に2店舗目を出した方が効率が良いのではないかと思っています。

これは私の実体験としての肌感覚ですが、1,000件以上の開業相談を受けてきた中でも、3名体制がうまく回っているサロンは多い印象です。

ただし、スタッフの雇用は大変

年収だけ見ると雇用した方が良さそうに見えますが、雇用にはそれなりのハードルがあります。

新卒を雇用する場合は、1人でトリミングができるようになるまで3〜5年ほどかかります。 その間は教育にも時間を取られるので、効率的に売上を作ることは難しくなります。

既卒の即戦力を採用できれば理想ですが、トリマーの採用市場は人材が少なく、給料も新卒より高くなります。

さらに、雇用をすると社会保険の手続きや給与計算など、事務作業が大幅に増えます。 1人で黙々とトリミングするのが好きだった人にとっては、経営者としての業務が一気に増えるので、そこは覚悟が必要です。

いつ雇用するかのタイミングとしては、予約が2週間〜4週間待ちくらいになってきたら検討を始めていいと思います。

私の場合、カットの予約待ちが1ヶ月になった頃に求人を始めましたが、正直タイミングは遅かったです。 予約が取れにくくなると新規のお客様も増えにくくなるので、もう少し早く動いておけばよかったと思っています。

売上だけでなく「利益率」も意識する

年収を考えるときに、売上の数字だけ見てしまいがちですが、大事なのは手元にいくら残るかです。

同じ月商60万円でも、家賃5万円のサロンと家賃15万円のサロンでは、年収が120万円も変わります。

地方は売上の絶対額は都心より低くなりやすいですが、家賃や生活費が安いぶん手元に残る金額は都心と変わらないか、むしろ多いケースもあります。

私も1店舗目の和歌山では家賃4万円で始めました。 売上の規模は小さくても、固定費が安いので利益率は高かったです。

売上と利益率の関係については、以下の記事でも詳しく解説しています。

→ 地方と都心のトリミングサロンの売上と利益の違い https://trimal.jp/archives/717

年収を上げるために一番大事なこと

ここまで計算してきた通り、トリマーの年収を左右する最大の要素は「単価 × 頭数」です。

頭数を増やすには、集客の仕組みが必要です。 単価を上げるには、技術だけでなく、お店の空間や接客や見せ方も含めた「選ばれる理由」が必要です。

どちらも、開業してから考えるのではなく、開業前の設計段階で決まる部分が大きいです。

開業の全体像については、以下の記事で流れをまとめています。

→ 【完全マニュアル】トリミングサロン独立開業をするためにやること https://trimal.jp/archives/1044

開業資金の目安については、こちらの記事で詳しく解説しています。

→ 【トリミングサロン経営者が解説】独立開業平均資金は300〜800万円 https://trimal.jp/archives/59


自分の場合は独立したら年収がどのくらいになりそうか、具体的に計算してみたい方は、LINEで気軽に相談してください。単価設定や経費の考え方から一緒に整理できます。

→ LINEで無料相談する https://lin.ee/CQb1Y7D

→ 開業全般の相談について詳しくはこちら https://trimal.jp/archives/1442


まとめ

雇われトリマーの平均年収は402.7万円(厚生労働省job tag)。 独立開業した場合の事業利益(税引前)は、1人営業で472.8万円、2人体制で825.6万円、3人体制なら1,118.4万円(人件費の設定によっては878.4万円)と、1,000万円超えも現実的です。

ただし、これは予約が安定して埋まっている状態の計算です。 開業初月からこの数字になるわけではなく、軌道に乗るまでには半年〜1年ほどかかるのが普通です。

事業利益を上げるために大事なのは、単価設定、集客の仕組み、そして経費のコントロール。 この3つのバランスが取れれば、雇われ時代より収入を増やせる可能性があります。

独立開業の年収が気になるということは、独立への一歩を踏み出そうとしている証拠です。 まずは自分のサロンの売上と事業利益をシミュレーションしてみるところから始めてみてください。

自分のトリミングサロンを開業したい方へ

独立開業に必要なステップを1記事にまとめました。
何から始めればいいかわからない方は、まずこちらをどうぞ。

独立開業の完全マニュアルを見る →

5,500人以上のトリマーさんがフォロー中

Instagramをフォローする →
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次