出張トリミングとはトリマーがお客様のご自宅でトリミングをすることを言いますが、出張トリミングで営業されている方はそこまで多くないので、情報があまり表に出にくかったりします。
個人で店舗を構える資金がなくても独立や副業としてトリミングができる出張トリミングのメリットとデメリットを解説したいと思います。
出張トリミングのメリット
開業コストがほとんどかからない
トリミングサロンを開業を店舗で開業するには、家賃や内装費など数百万円単位でお金がかかります。
しかし、出張トリミングであれば、トリミングテーブル、クリッパー、ドライヤー、ハサミさえあれば開業ができてしまうので、低コストで独立開業をすることができます。
お店で働きつつ、開業資金を貯める副業として出張トリミングの検討をしてもいいかもしれません。
好きな時に働ける
出張トリミングは店舗に比べ営業時間がないので、予約時間の調整をすれば自分の好きな時間に働くことができます。
例えば、子育てがひと段落して子供が小学校に通っている平日の午後くらいまでという感じで、自分の好きな時間にコントロールもできるでしょう。
既存のトリミングサロンの付帯事業として始めやすい
すでにトリミングサロンを営業されていて、新たなサービスとして出張トリミングは始めやすいです。
トリミングカーほどの初期投資はかからずに、車があれば気軽に始められるという点でも今ある送迎の車などを活用すれば、初期費用はほとんどかからずにサービス展開をすることができます。
通常のトリミングよりも往復の移動時間や技術的な費用なども上乗せすることができれば、おうちでリラックスをしてトリミングをしてもらいたいという飼い主様の需要を掴むことができるかもしれません。
ただ、デメリットをよく考えた上で出張トリミングのサービスを検討した方がいいと思います。
最後には出張トリミングの代替案も書いています。
出張トリミングのデメリット
移動時間がかかる
お客様のご自宅まで出向いてトリミングをする必要があるので、往復の移動と交通費がかかります。
交通費に関しては料金に含むか、実費請求をすれば問題はありませんが、移動時間を含めると1日にできる頭数は多くて2頭が限度になりるかと思います。
道具の持ち運びが大変
出張トリミングなので道具は全て持ち運ぶ必要があります。
その中でも一番重いのはトリミングテーブルだと思います。
道具の持ち運びは重労働になりやすいです。
お客様の心理的なハードルも高い
トリマーとはいえ他人を家にあげるということだけでもハードルが高いので、潜在的な顧客の数はそこまで多くないと思います。
それではれば、家に上がらずに汚れもしないトリミングカーのメリットの方が高く、出張トリミングのメリットは薄れてしまいます。
集客が大変
店舗であれば看板を見てトリミングサロンがあると気がついてもらえますが、出張トリミングはネット集客がメインの集客源になります。
ネット集客はホームページを作成したり、Googleマイビジネスを活用したり、広告を打ったりなどの方法がありますが、手軽に始められるのにも関わらず、実店舗とやることはそこまで変わらなかったりします。
もちろん、広告以外は無料でホームページを作れたりするサービスもあったりするので、コスト的にはそこまで高くありません。
出張トリミングで集客ができていれば、実店舗の開業前の集客は比較的簡単に思えるくらいな知識にはなるかと思います。
これは考え方によってはメリットにもなりますし、デメリットにもなります。
わんちゃんのコントロールが難しい
わんちゃんのテリトリー内で飼い主様が近くにいる環境だと、トリミングを嫌がることが多いと思います。
店舗であれば自分のテリトリー外なので大人しくトリミングをさせてくれるわんちゃんも多いですが、自宅となればまた変わるでしょう。
そのため、余計にトリミング時間がかかってしまう可能性があります。
シャンプーは大変
シャンプー台などはないので、お風呂でシャンプーをする必要があります。
シャワーの水圧もそこまで強くなかったりするケースも考えられますし、お風呂場の広いスペースでシャンプーをする必要があるのでコントロールするのも大変かと思います。
お客様の部屋が汚れないように気をつける必要がある
お客様のご自宅なのであまり毛を飛ばさないように配慮する必要があります。
お掃除までセットにしてきれいにしないと次回からのリピートに繋がりにくくなるので、なるべく毛を飛ばさないような工夫は必要です。
道具が重いので車で移動する場合は駐車場料金もかかる
道具が重くお客様の家から距離がある可能性があるので電車移動は現実的ではないケースが多いかと思います。
そのため、出張トリミングは車移動がメインになるため、首都圏では駐車場料金がかかります。
駐車場料金を実費請求するのか、もしくは料金にある程度上乗せしておくという選択肢が必要になるかと思います。
動物取扱業の取得に関してはグレーゾーン
動物取扱業の該当する業者では、美容業者(動物を預かる場合)と記載があるので、店舗を構えたりトリミングカーでトリミングをする場合は必要になりますが、出張トリミングは預かるというよりもその場でトリミングをするので該当しているかといえば微妙なところです。
お客様のご自宅でわんちゃんとトリマーが一人になる状況だと、お預かりしていると言えるので保管の取得は必要そうですが、そのような状況になることはなかなかないと思います。
グレーなので出張トリミングをする場合は、管轄の保健所に確認をとっておくことがいいでしょう。
出張トリミングのメリットはあまりない
道具を持ち運んだり、お客様の家でトリミングをするということは通常のトリミングよりも体力的にも精神的にも負担は大きくなります。
そのため、出張トリミングはよほどのことがない限りはデメリットの方が大きいと考えています。
料金設定もトリミング料金と比較してあまりにも高くしてしまうと、需要自体が少なくなってしまうので、事業として継続していく料金設定にするとデメリットが大きいです。
もちろん、副業で開業資金を稼ぐためにという条件付きであれば、出張トリミングという選択肢をとってもいいでしょうが、集客は実店舗よりも大変です。
出張トリミングではなく、出張トリミング教室の方がいいのでは?
個人的には出張トリミングではなく出張トリミング教室の方がまだ需要は高いと思います。
飼い主様が自宅でトリミングをされるケースもあり、そこで基礎を教えるようなトリミング教室であれば比較的ニーズは高いと思います。
さらに基本は飼い主様にトリミングをしてもらうので、体力的にも精神的にも出張トリミングよりは負担が少なくなります。
また、出張トリミングだと既存のトリミング料金での比較になりますが、トリミング教室であればトリミングの単価よりも高い単価設定をしたとしても、競合はあまりいないと思うので単価は上げやすくなるので採算が合いやすくなります。
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