【2026年最新】トリミングサロン開業で日本政策金融公庫『新規開業資金』を使う方法|2店舗目で1,000万円を借入した経営者が解説

初めてのトリミングサロン新規開業は政策金融公庫で新規創業の借入をするのがオススメ

トリミングサロンの開業資金を準備する方法として、まず最初に検討してほしいのが日本政策金融公庫の創業融資です。

ただ、ここで重要な変更点があります。2024年3月31日をもって、これまで定番だった「新創業融資制度」が廃止されました。現在は新たに事業を始める方の融資制度として「新規開業資金」(正式名称:新規開業・スタートアップ支援資金)に統合されています。

あわせて、長年ハードルになっていた自己資金要件(創業資金総額の10分の1以上)も撤廃されました。「自己資金が足りないから公庫に申し込めない」という制度上の壁はなくなったということです。

この記事では、私自身が2店舗目を東京で開業するときに日本政策金融公庫から1,000万円を借入した実体験と、これまで140店舗以上のトリミングサロンのホームページ制作をサポートしてきた中で見えてきた公庫融資のリアルをもとに、2026年時点の最新情報で解説していきます。

1,000件以上の独立開業相談を受けてきた中でも、「借入=怖い」「自己資金だけで開業したい」という方は本当に多いです。1店舗目を開業した当時の私自身もそうでした。ただ、2店舗を経営してきた今振り返ると、その思い込みが独立を遅らせる最大の要因になっていたと感じています。なぜそう考えるようになったのか、実体験を交えてお伝えします。

この記事の対象は以下のような方です。

  • これからトリミングサロンを開業する予定で、資金調達方法を検討している方
  • 「借入は怖い」と感じていて、公庫を選択肢から外している方
  • 公庫融資の制度変更を最新情報で把握したい方
  • 自己資金が少ないけれど、開業したい気持ちがある方
  • 創業計画書をこれから書く方
目次

【実体験】1店舗目は100万円自己資金、2店舗目で公庫1,000万円借入したリアル

一般論を並べるよりも、まずは私自身の借入経験から書かせてください。

1店舗目(和歌山):公庫を使わず自己資金100万円で開業

私の1店舗目は、和歌山県で自己資金100万円のみで開業しました。元喫茶店の10坪の物件を家賃4万円で借りて、知り合いの大工さんに頼んで内装費を80万円に抑えて、なんとか開店までこぎつけた形です。

正直に告白すると、当時の私は日本政策金融公庫という存在自体を知りませんでした。それに加えて「借金=怖い」「借金=悪」というイメージが強くあって、そもそも借入という選択肢を頭の中に持っていなかったんです。

開業後、お店は徐々に軌道に乗りました。ただ、開業から軌道に乗るまでの数か月間は、想像していた以上にキャッシュが減っていきました。家賃、仕入れ、光熱費、自分の生活費、機材の追加投資。事前に計算したつもりでも、実際に運営してみると「あれも足りない」「これも追加で買わないと」が次々に出てきます。

軌道に乗ってからも、トリミング室の内装は自分たちでペンキを塗って凌いでいて、本格的にトリミング室の内装を入れたのは経営が安定してからでした。お店として完成するのに2年かかった計算です。

今振り返ると、1店舗目の時点で公庫からまとまった金額を借入していれば、もっと早くお店を完成形に持っていけたし、精神的な余裕も全然違ったと思います。

2店舗目(東京・世田谷区):自己資金で開業できたけど、あえて公庫から1,000万円借入

DOG SALON FREESIAの2店舗目を東京で開業したときは、自己資金だけでも開業できる状態でした。それでもあえて日本政策金融公庫から1,000万円の借入をしました。

借入の条件はこんな感じです。

項目内容
借入額1,000万円
当初金利(コロナ融資)0.95%(最初の3年間)
4年目以降の金利1.45%
返済期間10年
据置期間1年(元本返済を1年後ろ倒し)
申込から振込まで約1か月

ここで補足しておきたいのが金利の話です。私が借入したタイミングはちょうど新型コロナウイルス感染症特別貸付が実施されていた時期で、最初の3年間は金利が0.95%まで引き下げられました。4年目からは通常の1.45%に戻っています。

この特別貸付の3年間で、利息負担はかなり軽くなりました。具体的には、当時の通常金利1.45%に対して0.5%の優遇なので、3年間で約13万円ほどの利息を節約できた計算になります。

ただし、2026年時点ではこのコロナ融資の優遇は終了しています。これから公庫に申し込む方は、コロナ特別貸付ではなく通常の新規開業資金が前提になることは、最初にお伝えしておきます。

2026年時点の公庫融資の金利は、制度・担保の有無・保証人の有無・特別利率の適用条件によって変動します。私が借入した当時は1.45%でしたが、現在は金利水準も変わっているため、これから申し込む方は必ず日本政策金融公庫の最新金利を確認してください。

それでも、創業期に長期返済でまとまった資金を借りられる制度としては、かなり検討価値の高い選択肢です。

なぜ自己資金で開業できたのに、わざわざ借入したのか

理由はシンプルで、運転資金として手元にキャッシュを残しておきたかったからです。

1店舗目を経営して痛感したのは、開業後のキャッシュが減るスピードは想像以上だということです。集客が順調に伸びていても、家賃・仕入れ・光熱費・人件費・自分の生活費は容赦なく出ていきます。売上が立ってもお客様からの入金タイミングと、自分が支払う支出タイミングがズレるだけで、一気に資金繰りが苦しくなります。

借入した1,000万円のうち、開業時に必要な分以外は運転資金として手元に残しました。これによって、開業直後にどれだけ予想外の支出が出てきても、精神的に余裕を持って対応できる状態を作れました。

据置期間1年をつけたのも大きかったです。開業直後の一番キャッシュが減りやすい時期に元本返済を後ろ倒しできるので、毎月の返済プレッシャーがなくなります。実際、最初の1年間は利息分だけの返済で済んだので、資金繰りはかなり楽でした。

この経験から伝えたいこと

「借入=悪」というイメージで公庫を選択肢から外している方は本当に多いです。1店舗目の私自身がそうだったので、その気持ちはよく分かります。

でも、事業のための借入は消費のための借金とは性質がまったく違います。事業性の融資としては破格の低水準の金利で、まとまったキャッシュを手元に置けます。

もちろん、借入は返済義務のある資金なので、誰にでも無条件でおすすめできるものではありません。ただ、トリミングサロンの開業では、内装費・設備費・広告費・運転資金が一気に必要になります。自己資金だけでギリギリ開業するよりも、公庫融資を活用して手元資金を残す方が、開業後の資金繰りは安定しやすいです。

なぜ創業融資が「最優先」の資金調達方法なのか

トリミングサロンの開業資金を準備する方法は、大きく以下の4つに分けられます。

方法性質開業前資金として
自己資金(貯金)利息なし・自分のお金必須だが時間がかかる
創業融資(日本政策金融公庫)低金利・後から返済最も現実的
補助金(持続化補助金など)返済不要・後払い開業前資金にはならない
家族・親族からの援助条件は人それぞれ期待しすぎは禁物

このうち、開業前のまとまった資金を準備する方法として最も現実的なのは、自己資金 + 創業融資の組み合わせです。

自己資金だけで全額を賄おうとする落とし穴

トリマーとして勤務しながら、開業資金をすべて自己資金で貯めようとする方は少なくないです。「借金しないで開業したい」という気持ちはすごく分かります。

ただ、トリミングサロンの開業資金は最低でも200万円、店舗にこだわると800万円、内装や設備に投資すると1,000万円を超えるケースもあります。これを全額自己資金で貯めようとすると、何年かかるか分かりません。

雇われトリマーの平均年収は約380万円です。手取りに換算すると月22〜23万円ほど。生活費を引いた残りで毎月10万円貯金できたとしても、500万円貯めるには4年以上かかる計算です。

その間、独立する技術と知識があるのに、勤務トリマーのまま時間が過ぎていきます。独立すれば年収500万〜1,000万円以上を目指せる方が、年収380万円のまま4年以上を過ごすのは、経営者として一番もったいない時間の使い方だと思います。

技術と意欲があるなら、創業融資を活用して早めに独立した方が、経営者としての成長スピードも年収も上がります。

補助金は「後払い」なので開業資金にはならない

補助金(小規模事業者持続化補助金〈創業型〉など)も心強い制度ですが、原則として後払いです。先に経費を自分で支払って、事業を実施し、実績報告が認められてから補助金が振り込まれる仕組みです。

つまり、開業前のまとまった資金を補助金で賄うのは不可能です。補助金は「開業後にホームページや設備投資の一部を補ってもらう」位置づけで、開業前の資金準備は融資と自己資金で組み立てる必要があります。

補助金の詳しい使い方は別記事でまとめています。
【2026年最新】トリミングサロン開業で使える補助金

なぜ「日本政策金融公庫」が筆頭候補なのか

創業融資を扱っている金融機関は他にもあります。地方銀行、信用金庫、信用保証協会経由の制度融資など、選択肢はいくつかあります。

その中でも日本政策金融公庫を最初に検討すべき理由は3つあります。

1. 創業者を積極的に支援する政府系金融機関

日本政策金融公庫は財務省が管轄する100%政府出資の金融機関です。民間金融機関が「実績がない創業者には融資しにくい」と慎重になりがちな部分に、政策的に資金供給を行う役割を担っています。創業前・創業直後の事業者にとって、最も門戸が広い融資元です。

2. 金利が低水準

新規開業資金の金利は、担保・保証人の有無や事業計画によって変動しますが、地方銀行の事業性融資と比べてもかなり低金利で、長期返済との組み合わせで月々の返済負担を抑えられます。

3. 無担保・無保証人で借入可能

新規開業資金は条件次第で無担保・無保証人で借入できます。家族や親戚に保証人を頼まなくていいというのは、心理的なハードルも金銭的なリスクも大きく下がります。

これらの条件は、信用金庫や地方銀行で同等のものを引き出すのは現実的に難しいです。まずは日本政策金融公庫を第一候補にして、必要に応じて他の金融機関を組み合わせる、という順番が王道です。

2024年に制度変更|新規開業資金(旧:新創業融資制度)の最新スペック

2024年3月31日をもって、長年定番だった「新創業融資制度」は廃止されました。

現在は、新たに事業を始める方や開業から間もない方が利用する融資制度として「新規開業資金」(正式名称:新規開業・スタートアップ支援資金)に統合されています。名称は変わりましたが、創業期の事業者を支援するという性格は引き継がれていて、むしろ条件は以前より使いやすくなっています。

2026年時点の新規開業資金のスペック

項目内容
対象者新たに事業を始める方/事業開始後おおむね7年以内の方
融資限度額7,200万円(うち運転資金4,800万円)
返済期間設備資金20年以内/運転資金10年以内
据置期間5年以内
担保・保証人原則不要(条件あり)
自己資金要件撤廃(2024年4月以降)
金利担保・保証人や経歴、事業計画によって変動

特に注目すべきポイントを順に解説します。

融資限度額7,200万円は実質的に「足りる」水準

トリミングサロンの開業で7,200万円を借入するケースはほぼありません。実態としては、300万〜1,500万円のレンジで借入する方が大半です。

私自身は1,000万円を借りましたが、自宅サロンや小規模テナント開業であれば500万円前後で十分なケースも多いです。逆に、内装にこだわった本格的な店舗を構えるなら1,500万〜2,000万円借りる方もいらっしゃいます。

限度額が高めに設定されているということは、自分の開業規模に合わせて柔軟に金額を設計できるということです。

返済期間が大幅に延びた(運転資金10年・設備資金20年)

以前の制度と比べて大きく変わったのが返済期間です。運転資金で10年、設備資金で20年というのは、創業期の事業者にとってかなり余裕のある条件になります。

月々の返済額を計算してみると、1,000万円を10年で返す場合、月8万円台で収まります。これが7年返済だと月12万円を超えてきます。10年返済になったことで、月々のキャッシュフローへの負担が大きく軽くなりました。

据置期間5年以内の意味

据置期間というのは、元本の返済を後ろ倒しにできる期間のことです。据置期間中は利息分だけ支払えばよくて、元本返済は据置期間が終わった後に始まります。

たとえば、1,000万円を10年返済・据置1年で借りた場合、最初の1年間は利息分だけ返済し、残り9年間で元本+利息を返済するイメージです。

開業直後の一番キャッシュが減りやすい時期に元本返済を後ろ倒しできるのは、資金繰り上かなり助かります。私自身も1年の据置を取りましたが、これが大きな心理的な余裕につながりました。

ただし、据置期間を長くしすぎると、その分後半の返済額が大きくなります。事業の立ち上がりスピードを見ながら、無理のない据置期間を設定するのがコツです。

無担保・無保証人で借入可能

新規開業資金は、条件次第で無担保・無保証人での借入が可能です。

担保が要らないということは、自宅や土地などの資産を持っていなくても借入できるということ。保証人が要らないということは、家族や親戚に頭を下げて保証人になってもらう必要がないということです。

トリマーとして独立する方の多くは20〜30代で、まだ持ち家もないし、保証人を頼める身内も限られているケースが多いです。無担保・無保証人で借入できる制度設計は、こうした層にとって本当にありがたい仕組みです。

旧「新創業融資制度」との違い|自己資金要件が撤廃された意味

ここが2024年制度変更の最大のポイントです。

旧制度では「創業資金総額の1/10」が必須だった

旧「新創業融資制度」では、創業資金総額の10分の1以上の自己資金を準備していることが申し込みの要件でした。

たとえば、

  • 創業資金500万円 → 自己資金50万円が必要
  • 創業資金1,000万円 → 自己資金100万円が必要
  • 創業資金3,000万円 → 自己資金300万円が必要

このように、開業規模に応じた自己資金が形式的に必須だったため、「自己資金がほとんどない」という理由で、そもそも申し込みすらできなかった方が実際にいました。

2024年4月以降は要件が撤廃された

新規開業資金では、この自己資金要件が撤廃されています。つまり、自己資金がほとんどなくても、申し込み自体は可能になりました。

これは、政府が創業を後押しするために門戸を広げた重要な変更です。「自己資金で門前払い」というハードルがなくなったことで、これまで諦めていた層にもチャンスが広がりました。

ただし「申し込める」と「審査に通る」は別の話

ここが一番大事なポイントです。

自己資金要件が撤廃されたからといって、自己資金ゼロで簡単に審査が通るわけではありません。実際の審査では、自己資金の額は今でも重要な評価要素として扱われています。

自己資金が多いほど、

  • 開業に向けた計画性があると評価される
  • 借入希望額に対する返済リスクが低く見られる
  • 「本気で開業を準備してきた」という姿勢が伝わる

これらの理由で、審査上は有利になります。

実務的な目安としては、借入希望額の1/3〜1/4程度の自己資金を準備していると、審査通過率が大きく上がると言われています。たとえば1,000万円借入したいなら、250万〜330万円程度の自己資金があると安心、というイメージです。

自己資金ゼロでも借りられるのか?

自己資金要件が撤廃された結果、ネット上には「自己資金ゼロでも公庫から融資が受けられる」という情報が出回るようになりました。これは半分正しくて、半分は誤解を招く言い方です。

正しく整理すると、制度上は申し込み可能。ただし、自己資金がある方が審査上は圧倒的に有利、というのが実態です。

自己資金要件は撤廃されたが「自己資金が不要」になったわけではない

日本政策金融公庫の公式情報を確認すると、新規開業資金の対象者は「適正な事業計画を策定しており、当該計画を遂行する能力が十分あると認められる方」とされています。創業計画書の提出によって、事業計画の内容と遂行能力が審査されます。

つまり、自己資金が少なくても申し込みは受け付けてもらえますが、最終的に審査を通すには「この人なら計画通りに事業を回せる」と判断されるだけの材料が必要です。

審査担当者の視点で見ると、自己資金は単なる「お金の量」ではなく、以下のような評価材料として見られています。

  • 計画性の証明:開業に向けて何年もコツコツ準備してきたか
  • 資金管理能力の証明:通帳の動きで、収入と支出をコントロールできる人かを見られる
  • 本気度の証明:自分のお金をリスクに晒す覚悟があるか
  • 緊急時のバッファ:開業後に売上が立たない期間を耐えられる体力があるか

自己資金ゼロで申し込むということは、これらの評価材料を別の方法でカバーする必要があるということです。

自己資金が少ない方ほど準備すべきこと

自己資金要件が撤廃されたとはいえ、自己資金が少ない方ほど審査では不利になりがちです。それを補うために、以下の準備を丁寧にやる必要があります。

1. 詳細な見積書を取り揃える

「内装費200万円」のようなざっくりした金額ではなく、内装業者・設備業者から具体的な見積書を取得しておきます。複数業者の相見積もりがあると、コスト感覚があると評価されます。

2. 現実的な売上計画を立てる

「月50頭施術して月商60万円」のような数字を、根拠とセットで提示します。周辺地域の犬の飼育数、競合店の状況、自分の指名客の見込みなど、複数の角度から数字の根拠を組み立てておきます。

3. 固定費と運転資金を明確化する

家賃・光熱費・仕入れ・自分の生活費を毎月いくら見込むか、そして「売上ゼロでも何か月持つか」を計算しておきます。最低6か月、できれば1年分の運転資金を見込めると安心です。

4. 開業後の集客手段を具体化する

ホームページ・Googleビジネスプロフィール・Instagram・LINE公式アカウントなど、どう集客するかを具体的に説明できるようにします。「Instagramを頑張ります」ではなく「フォロワー○○名のアカウントを既に運用していて、開業時点で集客できる状態にする」のような具体性が必要です。

実務上の自己資金の目安

自己資金がいくらあれば審査が通りやすくなるか、という質問もよく受けます。

実務上の目安としては、借入希望額の1/3〜1/4程度の自己資金を準備していると、審査の通過率が大きく上がります。

借入希望額推奨される自己資金
300万円100万円前後
500万円150万〜170万円
1,000万円250万〜330万円
1,500万円400万〜500万円

これはあくまで目安です。自己資金が少なくても、創業計画の精度が高ければ通るケースは普通にありますし、逆に自己資金が潤沢でも事業計画が雑だと落ちます。

「自己資金の額」と「事業計画の精度」の組み合わせで審査されるので、片方が弱いならもう片方を厚くする、という発想で準備するのが現実的です。

自己資金が少ない人はどうすればいい?

「自己資金50万円しかないけど大丈夫?」「自己資金ゼロでも申し込める?」「いくらあれば安心?」という質問は、1,000件以上の独立開業相談の中で本当に多いです。

ここは検索する方の本音だと思うので、ストレートにお答えします。

自己資金50万円でもいけるのか?

結論から言うと、自己資金50万円でも申し込みは可能です。2024年4月以降は自己資金要件が撤廃されているので、制度上のハードルはありません。

ただし、自己資金50万円で「いくら借りられるか」は、創業計画の精度と借入希望額のバランス次第です。

たとえば、

  • 自己資金50万円で借入希望200万円 → 比較的通りやすい
  • 自己資金50万円で借入希望1,000万円 → かなり厳しい

借入希望額に対する自己資金比率が低すぎると、「返済原資の根拠が薄い」と判断されやすいからです。

自己資金50万円なら、まずは200万〜300万円程度の借入希望から相談するのが現実的です。出張トリミングや自宅サロンといった小規模な開業スタイルとは相性が良いです。

自己資金ゼロでも申し込めるのか?

制度上は申し込み可能です。ただし、現実的に審査を通すのはかなりハードルが高くなります。

自己資金ゼロが「準備不足」と見られる典型的なケースは以下です。

  • 通帳に毎月の貯金履歴がない
  • 創業の準備期間が短い(思い立ってすぐ申込)
  • 借入希望額の根拠が曖昧

逆に、自己資金ゼロでも審査を通しやすくなるケースもあります。

  • 親族からの援助が明確に約束されている(贈与契約書などがある)
  • 過去に同業種で十分な実績がある(指名客が多数、店長経験など)
  • 既に共同経営者やパートナーがいて、人的・資金的リソースが補える
  • 開業前から具体的な顧客リスト・予約見込みが立っている

自己資金ゼロで通すには、「自己資金以外の評価材料」を厚くする必要があるということです。

いくらあれば安心して申し込めるか

「絶対安心」というラインはありませんが、HP制作で140店舗以上をサポートしてきた感覚で言うと、借入希望額の1/3〜1/4程度の自己資金があると、審査担当者の心証もよくなり、通りやすくなります。

借入希望額安心して申し込める自己資金の目安
200万円50万〜70万円
500万円150万〜170万円
1,000万円250万〜330万円
1,500万円400万〜500万円

この水準があれば「計画的に準備してきた」と評価されやすく、面談でも自信を持って事業計画を説明できます。

自己資金を増やすために今からできること

「あと半年で開業したいけど、自己資金が足りない」という方によくお伝えしているのは、以下の3つです。

1. 毎月の貯金額を増やす

通帳に「毎月コツコツ貯めている履歴」があると、計画性の証明になります。一気に100万円を入金するよりも、毎月10万円ずつ貯めている方が評価されます。

2. 副業・退職金などで現実的に増やせる金額を計算する

開業準備中に副業で月数万円のプラスを作る、退職金を当てる、長期保有の投資信託や株を売却するなど、現実的に増やせる金額を整理します。

3. 開業時期を3〜6か月後ろ倒しする

「今すぐ開業」を「半年後の開業」に変えるだけで、自己資金は大きく変わります。半年で月10万円ずつ貯めれば60万円増えますし、その間に創業計画の精度も上げられます。

開業時期を後ろ倒しするのは決断が要りますが、「足りないまま無理に開業して資金ショートする」よりも、「半年待って盤石な状態で開業する」方が成功率は高いです。

トリミングサロン開業で公庫融資はいくら借りられる?

ここまで制度の話をしてきましたが、読者の方が一番知りたいのは「自分の場合、いくら借りられそうか」だと思います。

制度上の上限7,200万円はあくまで天井で、トリミングサロンの開業でこの金額を借りるケースはまずありません。実態としては、開業スタイルごとに必要資金と借入額にだいたいのレンジがあります。

開業タイプ別・必要資金と融資相談の目安

開業タイプ必要資金の目安融資相談の目安
出張トリマー50万〜150万円50万〜100万円
自宅サロン100万〜300万円100万〜250万円
小規模テナント300万〜700万円300万〜600万円
内装ありの店舗700万〜1,500万円500万〜1,000万円
人を雇う前提の店舗1,000万円以上800万〜1,500万円前後

私の1店舗目は和歌山の小規模テナント型で開業費は100万円台、2店舗目は東京の内装ありの店舗型で総額2,000万円弱、うち1,000万円を公庫から借入しました。地方と都心では同じ「テナント型」でも金額が大きく変わるので、上の目安はざっくりのレンジとして見てください。

借入額を決めるときの考え方

借入額を決めるときに大事なのは、「いくら必要か」だけでなく「いくら借りても返せるか」の両面で考えることです。

1,000万円を10年返済する場合、月々の返済額は約8.8万円。これに家賃・光熱費・仕入れ・自分の生活費を加えた月の固定費を、開業後の売上で十分にカバーできるかを試算する必要があります。

逆に、必要最低限ギリギリの借入額にしすぎると、開業後の予期せぬ支出に対応できなくなります。私の経験から言うと、開業時に必要な金額 + 6か月〜1年分の運転資金を借入の目安にするのが安全です。

実例:1,000万円借入の使い道

参考までに、私が2店舗目で借入した1,000万円の内訳を公開します。

項目金額
物件取得費(敷金・礼金・前家賃)約150万円
内装工事費約400万円
設備費(トリミング機材・ケージ等)約200万円
広告宣伝費(HP・看板・チラシ)約100万円
運転資金(手元に残す分)約150万円

実際の総開業費は2,000万円弱でしたが、自己資金との組み合わせで全体を組み立てました。借入分のうち約150万円を運転資金として手元に残したことで、開業直後の資金繰りに余裕を持てました。

申込から振込までの流れ

公庫融資の申込から振込までの流れを、私の実体験ベースで解説します。

ステップ1:物件を決める(必須前提)

公庫融資の申込には、内装費・敷金・設備費などの具体的な金額が必要です。そのため、物件を決めてから申込するのが基本的な流れになります。

「お金を借りてから物件を探す」という順番では申込できないので、まず物件探しを進めて、目処が立った段階で公庫に相談を始めるのが現実的です。

ただし、物件契約と同時並行で公庫に事前相談することは可能です。物件の目処が立った段階で公庫の窓口に行って「この条件で開業を考えているが、いくら借りられそうか」を相談しておくと、その後の手続きがスムーズです。最終的な物件の契約自体は公庫の審査が決まった時点で申し込みをしましょう。

公庫の審査が降りずに物件を契約してしまうと、お金がない状態どうしようも無くなってしまうので気をつけてく浅い。

ステップ2:必要書類を準備する

申込に必要な書類は主に以下の通りです。

  • 創業計画書(公庫指定フォーマット)
  • 見積書(内装費・設備費など)
  • 物件の賃貸借契約書(または契約予定の書類)
  • 自己資金が分かる通帳のコピー
  • 本人確認書類
  • 過去の収入が分かる書類(源泉徴収票など)

このうち最も時間がかかるのが創業計画書です。後のセクションで詳しく解説します。

ステップ3:申込・面談

書類が揃ったら、公庫の窓口で申込をします。書類を提出して数日後に面談の日程が組まれます。

面談は1〜2時間程度で、創業計画書の内容について担当者から質問されます。なぜトリマーを目指したのか、なぜこの場所で開業するのか、競合とどう差別化するのか、売上予測の根拠は何か、など。

緊張する場ではありますが、「商売を継続できる根拠」を自分の言葉で説明できれば大丈夫です。私の場合は1店舗目の実績(トリマー3人で最大3か月待ち)があったので、その実例を中心に話しました。

ステップ4:審査結果の通知

面談から約2週間で審査結果が通知されます。

この2週間の間に、公庫の担当者が現地調査を行うこともあります。私の場合も、店舗予定地まで担当者の方が見にきてくれて、立地や周辺環境を確認していました。

ステップ5:契約・振込

審査に通ったら契約手続きを行い、その後約2週間で指定口座に振込がされます。

申込から振込までトータルで約1か月が標準的なスケジュールです。私の場合もほぼこの通りで、申込から1か月程度で約1,000万円が口座に振り込まれました。

オープン日から逆算して、最低でも2か月前には公庫への相談を始めておくのが安心です。

創業計画書の書き方|全部自分で書いて1,000万円通った実例

公庫融資の合否を一番大きく左右するのが創業計画書です。

私の2店舗目では、創業計画書を全部自分で書いて1,000万円の借入が通りました。商工会議所や税理士に依頼せず、AIも使わず、純粋に自分の言葉で書き上げた形です。

その経験から、書類で何が効いたのか、書くときのポイントをお伝えします。

私の創業計画書で評価されたポイント

私が創業計画書で特に意識して書いたのは、他店との差別化と1店舗目の実績の2つです。

他店との差別化

東京・世田谷区はトリミングサロンの激戦区です。そのなかで「なぜこのお店が選ばれるのか」を、コンセプト・単価・サービス内容の3つの軸で具体的に書きました。

DOG SALON FREESIAの場合、プードルカット単価1.4万円〜1.5万円という相場より高い価格設定にしていて、その価格に見合うコンセプト(少数精鋭・1頭ずつ丁寧な施術・写真の美しさ)を明確に提示しました。

ただ「差別化します」と書くだけでは弱いです。「具体的にこういうサービスを、こういう価格で、こういう顧客層に提供する」というレベルまで落とし込んで書きました。

1店舗目の実績

これが審査で一番効いたと感じています。

1店舗目の和歌山店は、トリマー3人体制で最大3か月待ちのお店になっていました。これは「経営者として商売を継続する能力がある」ことの強力な証明になります。

申込時には、1店舗目の売上推移・客単価・リピート率・予約状況などの数字を具体的に提示しました。「2店舗目もこの実績を再現できる」という説得力を、数字で裏付けた形です。

新規開業の方の場合、こうした実績はまだないので、その分は「過去の勤務経験」「指名客の数」「保有資格」「集客ノウハウ」などで代替する形になります。

売上予測の根拠の作り方

創業計画書で最もよく見られるのが売上予測です。「月商60万円見込みです」と書くだけでは通りません。その根拠を数字で示す必要があります。

私の場合、1店舗目の実績データを基準にして、東京の単価レンジ・想定客数・想定リピート率を組み合わせて予測しました。

新規開業の方なら、以下のような根拠が使えます。

  • 周辺地域の犬の飼育頭数(自治体の統計データ)
  • 競合店の予約状況(電話で確認できる)
  • 想定単価 × 想定客数 × 想定稼働日数
  • 過去の勤務先で持っていた指名客の数
  • 開業前から運用しているInstagramのフォロワー数

「なんとなくこのくらい」ではなく、複数のデータを組み合わせて積み上げた数字を提示することが大事です。

一番時間がかかったセクション

私が一番時間をかけたのは資金計画と返済計画の整合性チェックでした。

「総開業資金がいくらで、そのうち自己資金がいくら、借入がいくら、月々の返済がいくら、それを売上から無理なく払えるか」を、何度も計算し直しました。

数字の辻褄が合っていないと、面談で必ず突っ込まれます。「この返済額は売上の何割ですか?」と聞かれたときに、即答できる状態にしておくのが理想です。

自分で書くべきか、専門家に頼むべきか

これはよく聞かれる質問です。

私は全部自分で書きましたが、その理由は2つあります。

1つは、自分の事業計画を一番理解しているのは自分だから。専門家に丸投げすると、面談で深掘りされたときに答えられなくなります。

もう1つは、創業計画書を書く過程そのものが、自分の事業をシミュレーションする作業だからです。書きながら「ここの数字、本当に大丈夫か?」「この支出、見落としていた」と気づくことがたくさんあります。

ただし、書き方が分からない場合は、商工会議所や認定経営革新等支援機関が無料で相談に乗ってくれます。完全に専門家に任せるのではなく、「相談しながら自分で書く」というスタンスがおすすめです。

公庫融資の審査で見られるポイント【トリミングサロン特化】

審査で見られるポイントは、業種によって少しずつ違います。トリミングサロンの場合、特に重視されるのが以下の6つです。

審査で見られる6つの項目

見られる項目トリミングサロンでの具体例
トリマー経験勤務年数、指名客、店長経験、犬種対応
開業場所家賃、競合、犬の飼育層、駐車場
売上計画客単価、月間頭数、リピート率
集客計画ホームページ、Googleマップ、Instagram、紹介
資金計画内装、設備、広告費、運転資金
自己資金いくら準備してきたか、通帳の動き

それぞれ少し詳しく解説します。

トリマー経験

勤務年数、勤務先での役割、指名客の数、対応できる犬種を見られます。トリマー歴が長ければ強いですが、短くても「店長経験あり」「マネジメント経験あり」「特定犬種に強い」のような実績があれば評価されます。

開業場所

家賃の水準、周辺地域の犬の飼育層、競合店の数、駐車場の有無を見られます。家賃が想定売上に対して高すぎる物件で借入しようとすると「返済原資が確保できない」と判断されることがあります。地方ならではの駐車場の重要性も、意外と評価ポイントになります。

売上計画

客単価・月間想定頭数・リピート率を即答できる状態にしておきます。「うちは平均単価8,000円、月100頭施術で月商80万円、リピート率は7割を目標」というレベルまで落とし込んでおくのが理想です。リピート率の根拠を勤務時代の数字で示せると説得力が増します。

集客計画

開業後にどうやってお客様を集めるかを具体的に説明できる必要があります。「Instagramを頑張ります」では弱く、「既にフォロワー○○名のアカウントを運用していて、開業時点でホームページとGoogleビジネスプロフィールも公開する」のような状態を提示できると評価が高くなります。

資金計画

内装費・設備費・広告費・運転資金の見積もりが、見積書ベースで具体的に説明できることが必要です。「内装200万円くらい」ではなく、「○○業者の見積書で内装一式198万円」のように具体性が求められます。

自己資金

自己資金の額そのものよりも、「どうやって準備してきたか」という通帳の動きが重要視されます。毎月コツコツ貯めてきた履歴があると「計画性がある」と評価されますし、一気にまとまった金額が入金されているだけだと「親族からの一時的な借入では?」と疑われることがあります。

集客の説明はホームページの設計と直結する

公庫の審査で「開業後にどう集客するか」を聞かれたとき、ホームページの存在は意外なほど重要です。

集客の説明を「Instagramと口コミで頑張ります」だけで済ませると、審査担当者からすると「具体性に欠ける」と見られがちです。

逆に、「開業前からホームページを準備していて、Googleビジネスプロフィールも登録済み、Instagramは既にフォロワー○○名」のような状態を提示できると、事業計画の現実性が大きく上がります。

ホームページは集客ツールであると同時に、事業計画書を裏付ける具体物としての役割もあるということです。

これまで140店舗以上のトリミングサロンのホームページ制作をサポートしてきましたが、開業前からホームページを公開していたサロンは、公庫融資の審査でもスムーズに通る傾向があります。

トリミングサロン専門のホームページ制作サービスを見る

【実例】HP制作顧客の約9割が公庫融資を活用

これまでホームページ制作をサポートしてきた140店舗以上のトリミングサロンのうち、約9割の方が日本政策金融公庫の融資を利用されています。

これは肌感覚ですが、トリミングサロンを開業する方にとって公庫融資は「使うのが当たり前」と言えるくらい一般的な資金調達方法です。

公庫融資を使った方の共通パターン

HP制作のお客様で公庫融資を使った方々を見ていると、以下のような共通パターンがあります。

借入額のレンジ

  • 自宅サロン・小規模テナント:300万〜500万円
  • 内装にこだわった店舗型:500万〜1,000万円
  • 人を雇う前提の店舗:1,000万〜1,500万円

自己資金の目安

借入額の1/3〜1/4程度の自己資金を準備している方が多いです。たとえば500万円借入の方なら、自己資金150万〜170万円程度を準備していることが多いです。

返済期間

ほとんどの方が10年返済を選んでいます。月々の返済額を抑えて、開業初期のキャッシュフローを軽くする狙いです。

据置期間

1年〜2年の据置期間を取る方が多いです。元本返済が始まる前に経営を安定させるのが目的です。

自宅サロン vs 店舗サロンで審査内容に違いがある

自宅サロンで開業する場合と、店舗を借りて開業する場合とでは、審査で見られるポイントが少し変わります。

自宅サロンは家賃という固定費がないので、損益分岐点が低く、返済リスクが小さく見られる傾向があります。一方で、自宅という立地ゆえの集客の制約があるため、その点をどうカバーするかの説明が必要になります。

店舗サロンは家賃という固定費がある分、月々のキャッシュフロー上の負担が大きく見られますが、立地による集客の優位性をアピールできます。

どちらの形態でも、それぞれの強みと弱みを正直に提示して、現実的な事業計画を組み立てることが大事です。

落ちた人がHP制作顧客にいない理由

「公庫の審査で落ちた人はどのくらいいますか?」とよく聞かれますが、私のHP制作顧客には公庫融資で落ちた人がいません。

理由はシンプルで、公庫融資が通った方しかHP制作の段階に進めないからです。融資が通らないとそもそも開業ができないので、HP制作の依頼にも至らないという構造です。

なので「落ちた人の傾向」については一般論しかお伝えできませんが、公庫の融資審査に落ちる方の典型的なパターンは以下です。

  • 創業計画書の数字根拠が曖昧
  • 自己資金がほぼゼロで、補完する材料も乏しい
  • 借入希望額が家賃や売上規模に対して過大
  • 過去の信用情報に問題がある(消費者金融の借入・延滞歴など)
  • 面談で事業内容を自分の言葉で説明できない

これらに該当する場合、まずは創業計画の精度を上げる・自己資金を増やす・借入額を見直すなどの調整が必要になります。

補助金との使い分け|公庫融資と組み合わせるのが正解

公庫融資と補助金は、性質が違うので「どちらか」ではなく「両方を上手に組み合わせる」のが正解です。

公庫融資と補助金の役割の違い

項目公庫融資補助金
性質借入(返済義務あり)返済不要
受取タイミング開業前にまとめて開業後の後払い
金額の決まり方申込・審査による採択された経費の一部
使い道自由(事業全般)採択された事業計画の範囲内
主な活用シーン開業時のまとまった資金集客・設備強化の補填

公庫融資は「開業前にまとまったキャッシュを確保する」ためのもの、補助金は「開業後に集客や設備投資の一部を補ってもらう」ためのもの、と役割を分けて考えるのが分かりやすいです。

王道の組み立て方

トリミングサロン開業で、公庫融資と補助金の両方を活用する場合の王道パターンは以下です。

ステップ1:公庫融資で開業前のまとまった資金を確保

内装費・設備費・物件取得費・運転資金など、開業時に必要な金額を公庫融資と自己資金で組み立てます。

ステップ2:開業後に補助金を申請

ホームページ制作費・看板・チラシ・追加設備など、集客や差別化につながる経費を組み合わせて補助金を申請します。

ステップ3:採択されたら補助金分が後から返ってくる

採択された経費の一部(2/3程度)が後日振り込まれます。この補助金分を運転資金として手元に残せるので、資金繰りがさらに楽になります。

実際にホームページ制作のお客様の中にも、公庫融資で開業した後に持続化補助金〈創業型〉を活用してHP制作費を補填された方が複数いらっしゃいます。

補助金の詳しい使い方は別記事でまとめています。
【2026年最新】トリミングサロン開業で使える補助金

自治体の創業支援も必ず確認する

国の公庫融資・補助金に加えて、自治体独自の創業支援制度も必ず確認してください。

都道府県や市区町村によっては、

  • 創業時の利子補給(一定期間、利息分を自治体が負担)
  • 自治体独自の創業補助金
  • 信用保証協会経由の制度融資
  • 女性・若者・シニア向けの特別支援
  • 商店街での開業支援・空き店舗活用補助金

など、独自の支援制度を用意しているケースがあります。

検索の仕方はシンプルで、

  • 「(都道府県名) 創業 融資」
  • 「(市区町村名) 創業 補助金」
  • 「(市区町村名) 開業 支援」

で調べるか、地域の商工会・商工会議所に直接相談するのが早いです。

公庫融資とこれらの自治体制度を組み合わせると、開業時の資金調達の選択肢が大きく広がります。

公庫融資の合わせて読みたい記事

公庫融資は、開業準備全体の一部です。資金計画の全体像を組み立てる上で、以下の記事も合わせて読んでおくと理解が深まります。

開業資金の総額がいくらかかるのか、低予算と高予算で何が違うのかを知りたい方は以下の記事から。
トリミングサロン開業資金のリアル|100万円で始めた場合と1,400万円かけた場合、何が違う?

自己資金の考え方や、いくら貯めれば融資が受けやすくなるかを詳しく知りたい方は以下の記事から。
トリミングサロンを独立開業をするために大切な自己資金の考え方

トリミングサロン開業の全体像(手続き・準備・集客まで)を一度ざっと把握したい方は以下の記事から。
【完全マニュアル】トリミングサロン独立開業をするためにやること

開業手続きの順番・保健所への申請・税務署への届出を時系列で確認したい方は以下の記事から。
トリミングサロン開業の手続き一覧|保健所申請・開業届・営業開始までの流れ

よくある質問(FAQ)

Q. 自己資金ゼロでも公庫融資は受けられますか?

制度上は申し込み可能です。2024年4月以降、自己資金要件は撤廃されています。ただし、現実的に審査を通すには、創業計画書の精度・過去の実績・親族からの援助の有無などで自己資金不足を補う必要があります。実務上は、借入希望額の1/3〜1/4程度の自己資金があると審査の通過率が大きく上がります。

Q. 申込から振込までどのくらいかかりますか?

標準的には約1か月です。申込・面談(数日〜2週間)、審査(約2週間)、契約・振込(約2週間)が目安です。オープン日から逆算して、最低でも2か月前には公庫への相談を始めるのが安心です。

Q. 借入額はいくらが目安ですか?

開業スタイルによって変わります。出張トリマーで50万〜100万円、自宅サロンで100万〜250万円、小規模テナントで300万〜600万円、内装ありの店舗で500万〜1,000万円、人を雇う前提の店舗で800万〜1,500万円前後が目安です。「開業時に必要な金額 + 6か月〜1年分の運転資金」を借入することで、開業後の資金繰りが安定します。

Q. トリマー歴が短くても借りられますか?

借りられる可能性はあります。ただし、トリマー歴が短い分は、創業計画書の精度・自己資金・集客計画の具体性などでカバーする必要があります。指名客の数、過去の勤務先での実績、保有資格、開業前から運用しているInstagramのフォロワー数なども評価材料になります。

Q. 創業計画書は専門家に頼んだ方がいいですか?

私自身は全部自分で書いて1,000万円の借入が通りました。自分の事業を一番理解しているのは自分なので、できるだけ自分で書くことをおすすめします。書き方が分からない場合は、商工会議所や認定経営革新等支援機関が無料で相談に乗ってくれます。完全に丸投げするのではなく「相談しながら自分で書く」スタンスが理想です。

Q. 自宅サロンでも公庫融資は使えますか?

使えます。実際にホームページ制作のお客様の中にも、自宅サロンを公庫融資で開業された方が多くいらっしゃいます。自宅サロンは家賃という固定費がない分、損益分岐点が低く、返済リスクが小さく見られる傾向があります。一方で、立地による集客の制約があるため、その点をどうカバーするか(ホームページ・Googleマップ・Instagramの集客設計)の説明が必要です。

Q. 公庫融資と補助金は併用できますか?

併用できます。むしろ、公庫融資で開業前の資金を確保し、開業後に補助金で集客・設備投資の一部を補填する、という組み合わせが王道です。ただし、同じ経費に対して二重に資金を受けることはできないため、補助金申請時には「この経費は補助金対象、この経費は融資で支払う」と明確に区別する必要があります。

Q. 開業前から公庫に相談してもいいですか?

むしろ、相談はできるだけ早い段階でする方がいいです。日本政策金融公庫は創業前の無料相談も受け付けています。「まだ物件は決まっていないけど、こういう規模で開業を考えている」というレベルでも、相談に乗ってもらえます。早めに相談することで、必要な準備物や創業計画書の書き方も具体的にイメージできるようになります。

Q. 公庫の審査に落ちたらどうなりますか?

落ちた場合、半年〜1年程度は再申込しにくいと言われています。落ちる理由は主に、創業計画書の精度不足・自己資金不足・借入希望額が過大・信用情報の問題などです。再申込の前に、何が原因で落ちたかを商工会議所や認定支援機関に相談して、計画を立て直すのがおすすめです。

まとめ|公庫融資で「手元キャッシュを残す」開業を

トリミングサロン開業の資金調達で、最初に検討すべきは日本政策金融公庫の「新規開業資金」です。

2024年3月に旧「新創業融資制度」が廃止されて、現在は新規開業資金(新規開業・スタートアップ支援資金)に統合されています。自己資金要件も撤廃され、以前よりも申し込みのハードルは下がっています。

ポイントを整理すると以下の通りです。

  • 公庫融資は無担保・無保証人で借入可能(条件あり)
  • 融資限度額は7,200万円(うち運転資金4,800万円)
  • 返済期間は設備20年・運転10年、据置5年以内
  • 自己資金要件は撤廃されたが、実務上は借入希望額の1/3〜1/4が目安
  • 申込から振込までは約1か月
  • 創業計画書の精度が合否を左右する

何より大事なのは、「借入で手元キャッシュを残す」という発想です。

私自身、1店舗目を自己資金100万円のみで開業して、開業後にキャッシュが減るスピードに苦しみました。2店舗目では自己資金で開業できる状態でしたが、あえて1,000万円を借入して運転資金を手元に残した結果、精神的にも経営的にも余裕を持って立ち上がることができました。

借入は怖いものではなく、事業を加速させる投資です。技術と意欲がある方ほど、公庫融資を上手に活用して早めに独立する方が、経営者としての成長スピードも収入も上がります。

開業資金や公庫融資の活用方法で迷ったら、LINEで気軽に相談してください。1,000件以上の独立開業相談の中で、公庫融資を活用された方は本当に多いです。あなたの開業計画に合わせた借入額や資金の組み立て方も、一緒に整理できます。

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