トリミングサロンを開業したいと思っても、最初って何から手をつけたらいいのか分からない方がほとんどです。
資格のこと、届出のこと、お金のこと、物件のこと、料金のこと、集客のこと。考えることが多すぎて、逆に動けなくなる方は少なくありません。
実際、私のところにもトリマーさんから独立開業の相談をかなりいただきます。
今は東京の世田谷区でDOG SALON FREESIAを経営しながら、トリマーさん向けにInstagramで発信をしていて、フォロワーは5,500人を超えました。無料メルマガの登録者も1,200名以上、独立開業の相談は1,000件以上、トリミングサロンに特化したホームページ作成は140件以上やってきました。なので、机上の空論ではなく、現場の感覚としてお伝えできることはそれなりにあるかなと思っています。
しかも私自身、和歌山の人口が少ない地域で低資金開業をした経験もあれば、東京・世田谷で高価格帯のサロンを作った経験もあります。最初の1店舗目は自己資金100万円くらいで始めて、2店舗目は東京で借入もしながら作りました。低資金開業も、都内でしっかりお金をかけた開業も、どちらもやってきたからこそ分かることがあります。
この記事では、そういう実体験も入れながら、トリミングサロン開業までの流れをなるべく分かりやすくまとめます。
まずは全体像を掴んで、必要なところを個別に深掘りしていく。そんな使い方をしてもらえたらと思います。
Instagram(@yu_trimmer)では5,500人以上のトリマーさんに独立開業や経営のリアルを発信しています。
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トリミングサロン開業は、まず全体の流れを掴むのが大事です
開業って、気合いでどうにかなる部分もゼロではないんですけど、やっぱり順番を間違えるとしんどいです。
先に物件を決めてしまってから資金計画で苦しくなったり、内装にお金をかけすぎて運転資金が足りなくなったり、開業してから集客を考え始めて焦ったり。こういうのは本当によくあります。
なので、私は開業を考えるときは、まずこの順番で考えた方がいいと思っています。
コンセプト設計
↓
資金計画・料金設定
↓
テナント探し
↓
手続きと資格確認
↓
内装工事
↓
仕入れ
↓
集客準備
もちろん全部を一直線にやるわけではなくて、並行して進めるところもあります。
ただ、頭の中ではこの順番で整理しておくとかなりラクです。Trimalでも、開業相談を受けるときはこの全体像から整理することが多いです。
まず最初にやるべきなのは、コンセプトを決めることです
正直、ここを飛ばしてうまくいくケースはあまり多くないです。
コンセプトっていうと難しく感じるかもしれませんが、要するに
「誰に、どんな価値を、どうやって届けるか」
をはっきりさせることです。
たとえば、
- シニア犬に負担の少ない施術をしたい
- 写真まで含めて満足度の高いサロンにしたい
- ひとりひとり丁寧に向き合う少頭数サロンにしたい
- 高単価でも選ばれる上質なサロンにしたい
こういう方向性が先に見えていると、物件も内装も料金も集客の見せ方も決めやすくなります。
逆にここが曖昧なままだと、安い物件があったから決める、近所の相場に合わせて安くする、なんとなくインスタを始める、みたいな感じになりやすいです。
それでも開業はできます。でも、その後にかなり修正が必要になりやすいんですよね。
私自身、世田谷でDOG SALON FREESIAをやっていて感じるのは、同じ「トリミングサロン」でも、価格帯もお客様が求めるものも全然違うということです。
同じエリアでも、安さで選ばれる店と、空間や写真や接客まで含めて選ばれる店は、見ている競合が違います。
だから「近くにサロンが多い=厳しい」ではなくて、自分がどの市場を取りにいくのかを決める方が大事だったりします。
ちなみに、コンセプトの話をすると「でも自分はカット技術にそこまで自信がない」という方もいます。
でも、お客様がトリミングサロンを選ぶ理由って、カット技術だけではないです。
お店やスタッフの雰囲気がいい、犬に優しい、接客が丁寧、犬への知識が豊富、ネットで予約ができる、キャッシュレスに対応している、写真がきれい。
トリマー目線だとどうしてもカット技術だけに目がいきがちですが、お客様はもっと広い視点でお店を選んでいます。
実際に、カット技術に不安があったオーナーさんが「犬に優しいお店」というコンセプトを軸にして、開業から3ヶ月で2週間待ちになった事例もあります。 このトリミングサロンは私がホームページを作成したお客様ですが、カット技術以外の魅力を丁寧にホームページで見せたことで、オープン前からLINEに予約の問い合わせが来ていました。
だからこそ、コンセプトは「自分の技術」ではなく「お客様にどんな価値を届けるか」で考えた方がいいんです。
開業資金は「相場」より「どんな店を作りたいか」で決まります
ここも、かなり大事です。
よく「トリミングサロンの開業資金はいくら必要ですか?」と聞かれます。
でも正直、これはかなり幅があります。
実際に私自身、和歌山で1店舗目を開業したときは、自己資金100万円くらいの低資金開業でした。
一方で、東京で2店舗目を作ったときは、借入も使って1000万以上のお金をかけています。Trimalでも、低資金で始めた開業と、東京でしっかりお金をかけた開業の両方を書いていますが、この差はかなり大きいです。
たとえば地方で小さく始めるなら、
- 家賃を抑えやすい
- 内装も最低限で始めやすい
- 設備も必要最低限からスタートしやすい
というメリットがあります。
一方で、都内や高価格帯を狙う場合は、
- 保証金や初期費用が重い
- 内装の見せ方もある程度重要
- 設備や写真のクオリティも求められやすい
ので、どうしてもお金はかかりやすいです。
私が相談に乗ってきた方の開業資金は、最近はざっくり300万〜800万円くらいに収まることが多いです。
ただ、これもあくまで多いレンジであって、今でも100万円台で始める方もいれば、1,000万円を超える方もいます。Trimalでも、300万〜800万円が多い一方で、大きめのサロンや内装にこだわると1,000万円超えは十分あると書いています。
100万や200万でサロン開業をする方は、親族や知り合い価格でやってもらっていることがほとんどで、通常の内装で開業をする場合は必要最低限の内装しか入れなかったり、トリミングサロンや美容室の居抜きがたまたまあった場合など、かなり選択肢としては狭くなってしまいます。
大体の目安は300万は地方である程度の内装を整えてオープンをする金額、800万は大都市圏である程度内装を整えてオープンをする金額です。
開業資金の目安についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事でもまとめています。
→ 独立開業平均資金は300〜800万円
見落としがちな運転資金について
あと、ここで見落としやすいのが運転資金です。
開業するまでのお金ばかり考えて、開業してからのお金を軽く見てしまう方は本当に多いです。
でも実際は、オープン初月から予約でいっぱいになるわけではありません。
私の1店舗目だって、最初の売上は全然大したことなかったです。そこから少しずつ積み上げていきました。メルマガでも、和歌山での1店舗目は開業1ヶ月目の売上が8万円くらいだったと書いています。
だから、オープンまでにいくら必要かだけじゃなくて、軌道に乗るまで何ヶ月耐えられるかまで考えておくのが大事です。
自己資金としてどれくらい用意すべきかの考え方については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
→ トリミングサロンを独立開業をするために大切な自己資金の考え方
自分の場合はどのくらいの資金が必要なのか、漠然としていて分からないという方は、LINEで気軽に相談してください。開業資金の考え方から一緒に整理できます。 → LINEで無料相談する
→ 開業全般の相談について詳しくはこちら https://trimal.jp/archives/1442
テナント探しは、不動産探しというより「経営の前提」を決める作業です
物件探しって、つい「いいところないかな」で探しがちなんですけど、本当はそんなに軽い話ではないです。
立地、広さ、家賃、用途地域、周辺競合。
このあたりは当然大事です。
でも、それ以上に大事なのは、その物件が自分のコンセプトに合っているかです。
たとえば、住宅街の中で近隣のリピーターさんを積み上げていきたいのか。
それとも少し離れていても、単価を上げてわざわざ来てもらう店を作りたいのか。
この違いだけでも、選ぶ物件はかなり変わります。
ここがぶれてしまうと、せっかく開業をしたものの「思っていた開業と何か違う…」となってしまうことすらあります。
Trimalの無料相談でも、「テナントをどう探したらいいか分からない」という相談はかなり多いです。
逆に言うと、それだけ皆さんここで悩むんですよね。私は、テナント探しは単なる不動産探しではなくて、開業後の経営を先に決める作業だと思っています。
あと、都内で開業するなら、人口や密度、競合数みたいな数字を見るのも一つです。
メルマガでも、世田谷区の人口規模や競合数、他区との比較を書いたことがありますが、数字を見ると「なんとなく良さそう」で選ぶ怖さが分かります。
ただ、数字だけで決めるのも違います。
最後はやっぱり現地を見て、自分のお店のイメージと合うかどうかです。
内装は「かわいい」より、毎日回ることの方が大事です
これは本当にそうです。
もちろん見た目も大事です。
特に高単価でやっていきたいなら、空間づくりも価値の一部になります。
でも、トリミングサロンって毎日働く場所なんですよね。
シャンプーして、乾かして、カットして、受け渡しして、掃除して。
これを毎日繰り返すわけなので、動線が悪いとかなりしんどいです。
見積もりの段階では、デザインだけではなくて、
- 排水はどうか
- 給湯はどうか
- 床材はどうか
- 匂いや湿気はどうか
- ひとりで回す導線になっているか
このあたりまでちゃんと見た方がいいです。
あと、融資を使う場合は見積もりの準備も早めがいいです。
Trimalでも、政策金融公庫は見積もりが揃っていないと申し込みが進めにくいと書いています。特に内装費の見積もりは時間がかかりやすいので、テナントが決まってから慌てるより、候補の会社を早めに見ておく方がスムーズです。
手続きと資格は「あとでいいや」にしない方がいいです
ここは夢のない話に聞こえるかもしれませんが、かなり大事です。
トリミングサロンを営業するには、第一種動物取扱業の登録が必要です。
トリミングサロンのように犬を預かる業態は、一般に「保管」に該当します。Trimalでも、動物取扱責任者と第一種動物取扱業についてまとめていますが、ここは開業前に必ず確認した方がいい部分です。
資格や届出の詳細については、こちらの記事にまとめています。
→ トリミングサロンの独立開業に必要な資格「動物取扱責任者」と「第一種動物取扱業」について
それと、動物取扱責任者の要件は自治体確認が前提です。
自分では大丈夫だと思っていても、必要書類や扱いが違うケースがあります。
ここを曖昧にしたまま物件契約まで進めるのは、ちょっと怖いです。
地域の保健所や愛護センターなど一見すると同じルールで回っているように見えますが、実は細かなルールは自治体によって異なる運用があるケースは少なくないです。
そのため、私が動物取扱業の資格について聞かれて、一般的な回答はできたとしても、それがその方の地域に当てはまるかというのは別の話になるので、最終判断は必ず管轄の保健所や愛護センターで確認をしてくださいとお答えしています。
動物取扱業や用途地域などについては、開業の可否を決める直接的なものなので、相談をしていただくのももちろん歓迎ですが、必ず最後にはご自身で確認をされることをお勧めしています。
HP制作のお客様で、自宅サロンを開業された方の話です。建築時に市街化調整区域かどうかの確認を建築会社に任せていたところ、実際には市街化調整区域だったことが後から判明。結果的に看板を撤去し、閉店せざるを得なくなってしまいました。
また、税務の方では、個人事業で始めるなら開業届と、必要なら青色申告承認申請書の準備もあります。
こういうのは難しいというより面倒なんですが、面倒だからこそ後回しにしがちです。
でも、開業直前にまとめてやるとかなりバタつきます。
相談を受けていても、「借入はまずどこに相談したらいい?」「仕入れって契約必要?」「今何を先にやるべき?」みたいな質問は本当に多いです。
制度そのものより、順番が分からないという悩みの方が大きいんですよね。
なので、手続き系は知識よりも、順番を整理する感覚が大事です。
開業に必要な手続きの全体像については、こちらの記事で流れをまとめています。
→ トリミングサロン独立開業の手続きについて
料金設定は、安く始めればいいわけではないです
新規開業で集客の知識がないとどうしても「安さを売りにして集客をしてしまおう」と考えがちです。
でも、私はあまりおすすめしていません。
Trimalでも書いていますが、実際に価格を決めるとき、最初は周辺相場を見ます。
ただ、最後は自分の経験や知識や、どんなお店を作りたいかで決めるしかないです。
実際、お客様から「他より高いですね」と言われることはあります。
でも、そこで安くする方向に寄せると、その後ずっと苦しくなりやすいです。
私は、高いと言われても、値下げしてまで取りにいく必要はないと思っています。
もちろん、ただ高いだけではダメです。
でも、犬への接し方、仕上がり、接客、空間、写真、全部含めて「この店にお願いしたい」と思ってもらえるなら、高単価でも選ばれます。
独立後の年収や売上のリアルについては、こちらの記事でも詳しく書いています。
→ トリマーが独立開業をしたら年収は1200万円?
Trimalでも、自己資金100万円で始めた店と、東京で高単価で始めた店の両方を経験してきましたし、2店舗目はプードルカット1.4万円〜1.5万円の単価でスタートして、開業から1年ほどで4週間待ちになったと書いています。
また、繁盛店づくりの記事では、以前は2週間待ちくらいだったサロンが、改善を重ねて今ではカット2ヶ月待ちになったとも書いています。
価格は、安さではなく、価値と仕組みで成立させるものだと私は思っています。
もちろん、すべての方がカット技術があって接客も素晴らしく、内装にお金をかけているというわけではないので、そのポジションでの適正価格を模索することは大切です。
乱暴に高い料金設定をしてしまうことが一番怖いことだとは思うので、料金設定について不安な方はまずはお気軽にLINEからご相談ください。→ LINEで無料相談する
集客は「開業してから頑張る」だと遅いです
ここは、かなり多くの方がつまずくところです。
開業前って、物件とか内装とか資格とか、そっちに意識が向きやすいです。
でも、開業してからお客様が来るかどうかは、結局ここでかなり決まります。
最低限、開業前に整えておいた方がいいのは、
- ホームページ
- Googleビジネスプロフィール
この3つです。
特にホームページは強いです。
Trimalでも、技術に不安がある方の自宅サロンが、ホームページでカット技術以外の魅力を丁寧に見せたことで、開業から3ヶ月で2週間待ちになった事例を書いています。
また、売上不振だったサロンがホームページ作成と集客・単価アップのアドバイスを受けて、目標売上まで到達したサロンさんもいらっしゃいます。
Googleビジネスプロフィールも重要です。
「地域名 トリミングサロン」で見つけてもらえるかどうかは、開業初期ではかなり大きいです。
また、リピーター対策としてLINE公式アカウントを導入するメリットについてもこちらの記事でまとめていますので、あわせて読んでみてください。
Instagramは、ただ投稿すればいいわけではありません。
でも、写真に力を入れているサロンならかなり強いです。
Trimalでも、写真や背景や見せ方の改善で、予約がより埋まるようになった流れを書いていますし、私自身も写真はかなり大事だと思っています。
トリミングって、カットだけじゃなくて、仕上がりの見せ方まで含めて価値になるんですよね。
実際に、高単価サロンがどのように売上を伸ばしているかについては、こちらの記事も参考になります。
→ トリマー1人で月商120万円を達成しました
開業で失敗しやすいのは、この3つです
相談を受けていても、実際に見てきても、失敗パターンはだいたい似ています。
まず1つ目は、家賃が重すぎること。
立地が良いからで決めてしまうと、固定費がずっと経営を圧迫します。
2つ目は、集客の仕組みを作らないまま開業すること。
技術があれば自然に埋まる、というのはさすがに厳しいです。
開業初期は、まず知ってもらわないと始まりません。
3つ目は、運転資金の見積もりが甘いこと。
内装や設備にお金をかけすぎて、開業後を支える余力が足りなくなるのは本当によくあります。
さらに、Trimalの失敗事例では、スタッフが独立して近くで開業し、お客様が流れるケースにも触れています。
こういうのは開業直後だけの話ではなくて、経営を続けていく中で起こるリアルな失敗です。
だから、開業って「始められるか」だけじゃなくて、「どう続けるか」まで考えておいた方がいいんです。
こうした失敗は、開業前の段階で相談してもらえれば防げるものがほとんどです。「自分の計画で大丈夫か不安」という方は、気軽に声をかけてください。 → LINEで無料相談する
あわせて読んでおきたい記事:
→ トリミングサロンの開業失敗事例
日本政策金融公庫の融資は、早めに動く方がいいです
自己資金だけでやる方もいますが、借入を使う方も多いです。
実際、私も東京での開業では政策金融公庫を使っています。Trimalでも、東京での開業は金額が大きいため政策金融公庫で借入をしたこと、見積もりが揃わないと申し込みが進めにくいこと、申し込みから入金まで最短でも20日程度かかることを書いています。
詳しくはこちらの記事にまとめています。
→ トリミングサロン新規開業は政策金融公庫で新規創業の借入をするのがオススメな理由
なので、融資を考えているなら、
- 物件
- 内装
- 設備
- 見積もり
- 創業計画
このあたりは早めに揃えていく意識が大事です。
「まだ先だから」と思っていると、意外とすぐ開業時期は来ます。
また、融資だけでなく、補助金や助成金という選択肢もあります。使える制度については、こちらの記事でまとめています。
→ トリミングサロンの独立開業で利用できる補助金や助成金について
まとめ|開業は、結局「最初の設計」でかなり決まります
トリミングサロン開業って、資格や届出だけ押さえればうまくいくものではないです。
コンセプト、資金、立地、内装、料金、集客。
この全部がつながっています。
私自身、和歌山で低資金開業もやりましたし、東京・世田谷で高価格帯サロンもやってきました。
さらに、今はDOG SALON FREESIAの経営をしながら、Instagramの発信、無料メルマガ、独立相談、ホームページ作成を通して、かなり多くのトリマーさんやオーナーさんとやり取りしています。
その中でやっぱり思うのは、
開業で大事なのは、センスより準備の質
ということです。
勢いで始めることもできます。
でも、長く続けて、ちゃんと利益を出して、無理なく経営していくなら、最初の設計はかなり大事です。
この記事は、あくまで全体像のロードマップです。
それぞれのテーマは、Trimalの他の記事や無料メルマガでもかなり細かく書いているので、気になる部分は個別記事も読んでみてください。
開業は大きな決断ですが、順番を整理すれば、一歩ずつちゃんと前に進めます。








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