通信講座でトリマーになるのは意味ない?独学との違いを2店舗経営の元トリマーが解説

【トリミングサロン経営者が解説】通信講座でもトリマーになれる?

未経験からトリマーを目指すとき、「通信講座で勉強すればトリマーになれるんじゃないか」と考える方は多いです。

特に、社会人として働きながらトリマーを目指したい方や、子育ての合間に時間を作って勉強したい方にとって、通信講座は時間的にも金銭的にもハードルが低く見える選択肢だと思います。

ただ、結論から先にお伝えすると、通信講座だけでトリマーになるのは現実的に難しいです。 理由はシンプルで、トリマーの仕事の中心は「カット技術」で、これは座学だけでは絶対に身につかないからです。

私自身、トリマー専門学校を卒業して現場に出て、その後、和歌山県と東京世田谷区のDOG SALON FREESIAで2店舗のトリミングサロンを経営してきました。 採用する側として何人ものトリマーの面接もしてきましたし、これまでに1,000件以上の独立開業相談も受けてきました。

経営の傍ら、Instagramではトリマーさん向けに独立開業や経営のリアルを発信していて、現在5,500人以上のトリマーさんにフォローしていただいています。→ @yu_trimmer のInstagramを見てみる

この記事では、通信講座・独学・専門学校・トリマー塾・未経験OKサロンの5つの選択肢を、現役オーナートリマーの目線で本音で比較していきます。 読み終わるころには、自分にとって一番現実的な道のりが見えているはずです。

目次

通信講座でトリマーになるのは難易度は高い?

ストレートに言うと、「トリマーとして働くこと」を目的にするなら、通信講座だけでは難易度は高いです。

理由は3つあります。

1. カット技術は実技でしか身につかない

トリマーの仕事の8割はカット・シャンプー・ブローという実技です。 これらは数をこなすことでしか上達しません。

残りの2割は、犬の扱い方や犬種ごとの特徴の知識、そして飼い主さんとの接客やコミュニケーションです。 この部分も、現場で犬と人と向き合う経験を通してしか身につかないものなので、座学中心の通信講座ではどうしてもカバーしきれない領域になります。

通信講座のテキストでカットの理論を学んでも、実際にハサミやバリカンを動かす感覚は全く違います。 犬の体に手を添えてカットラインを取るのも、犬を動かさないように落ち着かせるのも、全部実技経験が前提のスキルです。

カット研修がついている通信講座もありますが、年に数回程度の研修では到底足りません。 プロのトリマーになるには、最低でも数百頭〜数千頭のカット経験が必要なので、研修だけで補えるレベルではないです。

ちなみに、最近はトリミングのやり方をYouTube動画で発信しているトリマーさんも多いですし、飼い主さん向けのトリミング教室を実施しているサロンもあります。

そのため、飼い主さんが自分の愛犬のお手入れのために学びたいだけなら、わざわざ通信講座を申し込む必要性も薄くなってきています。
無料で質の高い情報にアクセスできる時代なので、目的が「自分の犬のお手入れを覚えたい」であれば、まずはYouTubeや地元のサロンが開いているトリミング教室を探してみるのがおすすめです。

2. 採用側として「通信講座修了」はほぼ評価しない

これは現役で採用面接をしている経営者として、 求人募集をしているトリミングサロンの多くは、応募者の履歴書に「通信講座修了」と書かれていても、それを実技スキルとは見ていません。

具体的には、未経験者とほぼ同じ扱いになります。

理由は単純で、通信講座を修了したからといって犬のカットができるようになるわけではないからです。 「犬の知識は多少あるかもしれない」程度の評価で、技術的なアドバンテージはほぼゼロです。

これから紹介する別の方法のほうが、トリマーになる道としては遥かに現実的です。

3. 「資格を取れば就職に有利」も基本的には誤解

通信講座で取れる資格の多くは、その団体が独自に発行しているもので、業界での認知度は低いです。 トリミングサロンの経営者で「この資格を持っているから採用したい」と判断する人はほとんどいません。

唯一、JKC(ジャパンケネルクラブ)のトリマーライセンスだけは認知度が高く、業界内で信頼されている資格です。 ただしこれも、ライセンスを持っているだけでなく、実技経験があることが前提です。

通信講座が「無意味ではない」ケース

ここまで「意味ない」と言い切ってきましたが、目的によっては通信講座が役に立つケースもあります。

たとえば、

すでに別のルート(専門学校・トリマー塾・サロン勤務)でトリマーを目指していて、犬の知識を体系的に補強したい方 ペット業界で働いている事務スタッフや関連職の方が、犬の基礎知識を学びたい方 自分の犬のお手入れの知識を深めたい飼い主の方

このような目的なら、通信講座は十分に価値があります。 ただし「通信講座だけでプロのトリマーになる」という使い方はできない、というのが結論です。

独学でトリマーになれるのか?

ここからが、もう一つよく聞かれる質問への答えです。 「通信講座がダメなら、独学ではどうなのか?」

結論から言うと、独学でトリマーになることは不可能ではないです。 ただし、ハードルは通信講座以上に高いです。

独学でトリマーになるための現実的な道のり

独学でトリマーを目指すなら、次のような順番で進めることになります。

  1. 犬の解剖学・健康・しつけなどの基礎知識を本やオンラインで学ぶ
  2. 自分の犬や知り合いの犬で、ハサミ・バリカンを使った実技練習を積む
  3. InstagramやYouTubeで現役トリマーの動画を見て、技術を真似する
  4. ある程度カットができるようになったら、未経験OKのトリミングサロンに応募する
  5. プロの現場で修正を受けながら技術を磨く

このステップで進めれば、独学からプロのトリマーになることは可能です。 実際、私の知り合いにも独学でトリマーになって、自宅サロンを成功させている方はいます。

独学が向いている人・向いていない人

独学に向いているのは、

すでに犬を飼っていて、家で実技練習ができる 身近にトリマーや動物病院など、犬に詳しい人がいる 「自分でググって調べる」ことが苦にならない 時間とお金の余裕がない

このようなタイプの方です。

逆に向いていないのは、

体系的に学びたい 誰かに教えてもらわないと不安 技術の正解・不正解を自分で判断するのが難しい

このようなタイプの方です。 このタイプの方は、独学で進めても挫折する可能性が高いので、後述するトリマー塾や未経験OKサロンを選ぶほうが現実的です。

独学で成功する人の共通点

独学からトリマーになった方を何人か見てきましたが、共通しているのは「自分の技術を客観視できる」ことです。

自分のカットを写真に撮って見返したり、現役トリマーのSNS発信を見て「自分との違い」を分析したり、知り合いのトリマーに見てもらってフィードバックをもらったり。 こういう「自分を外から見る習慣」を持っている人は、独学でも上達が早いです。

逆に「自分のカットはこれでいい」と思ってしまう人は、独学では伸び悩みます。 誰かに評価されないと、自分の技術レベルが分からないままになってしまうからです。

採用面接で経営者が見ているポイント

ここで、これからトリマーを目指す方に知っておいてほしい話をします。

DOG SALON FREESIAでも何度か採用面接をしてきましたし、相談を受けるトリミングサロンオーナーさんからも採用基準の話をよく聞きます。 その中で、ほぼ全員が口を揃えて「ここを見ている」というポイントが3つあります。

1. わんこへの接し方

技術より先に見ているのは、わんこへの接し方です。 面接の場で犬と触れ合ってもらうと、その人が犬を大切にしているかどうかは数十秒で分かります。

わんこを雑に扱う人や、怖がっているわんこを無理やり触ろうとする人は、どれだけ技術があっても採用しないオーナーが多いです。 逆に、わんこの様子を見ながら優しく接してくれる人は、技術が未熟でも「育てたい」と思ってもらえます。

2. カット技術の現在地

技術はもちろん見ますが、見方は2種類あります。

新卒・未経験の場合は「これからどれだけ伸びそうか」という伸びしろを見ます。 経験者の場合は「現時点でどこまでできるか」という実技スキルを見ます。

どちらの場合も、自分のカット作品の写真をポートフォリオとして持ってきてくれると、評価しやすいです。 独学の方は特に、自分のカット実績の写真を残しておくことを強くおすすめします。

3. 長く働いてくれそうかという雰囲気

トリマーは育てるのに数年かかる職業なので、すぐ辞めそうな人は採用しにくいです。 具体的には、「なぜトリマーになりたいのか」「将来どんな働き方をしたいのか」を聞いて、その答えに納得感があるかを見ます。

「なんとなくかわいい犬と関われそうだから」だけだと厳しいです。 「自分の犬がトリミングで救われた経験があって、自分も同じことをしたい」のような、自分なりの動機があると評価が高くなります。

これは通信講座では絶対に身につかない部分なので、面接の前に自分の動機をしっかり言語化しておくことを強くおすすめします。

トリマーになる5つの選択肢

ここまでの話を踏まえて、トリマーになる現実的な選択肢を5つ整理します。 自分の状況に一番合ったものを選んでみてください。

1. トリマー専門学校に通う

トリマーになる王道で、一番確実な選択肢です。

メリットは、カット技術だけでなく犬の健康・しつけ・栄養など幅広い知識を体系的に学べることと、卒業後の就職難易度が大きく下がることです。 新卒採用枠での就職活動ができるので、未経験から飛び込むよりも圧倒的に有利です。

デメリットは、平日毎日通う必要があることと、2年間で数百万円の学費がかかることです。 社会人から通うのは現実的にハードルが高いです。

向いているのは、高校卒業から進路を選ぶ方、または時間とお金に余裕がある方です。

トリマー専門学校の選び方

2. トリマー塾に通う

社会人がトリマーを目指す場合の第一候補がトリマー塾です。

メリットは、専門学校より学費が安く、土日や平日夜に通えるコースがあることです。 カット技術を集中的に学べるカリキュラムになっているので、短期間で実技スキルが身につきます。

デメリットは、専門学校のように犬の健康・しつけなどの周辺知識まで学べる塾は少ないことです。 また、塾によって質に差があるので、入塾前に卒業生の作品やカット技術を確認するのが大切です。

私の知り合いには、1年間トリマー塾に通った後に自宅トリミングサロンを開業して、順調に集客を成功させている方もいます。 社会人から最短でトリマーを目指すなら、トリマー塾は現実的な選択肢です。

3. 未経験OKのトリミングサロンで働きながら学ぶ

トリマー塾の学費すら捻出が難しい方の選択肢が、未経験OKのトリミングサロンです。

メリットは、お金をもらいながら技術を学べることです。 人手不足のトリミングサロンも増えているので、地方であれば未経験募集の求人も見つかります。

デメリットは、教えてくれる先輩トリマーの技術レベルにばらつきがあることです。 中には、教える側の知識・技術が不足していて、自己流のクセが身についてしまうサロンもあります。

応募する前に、そのサロンの仕上がり写真や口コミを見て、技術レベルを確認することをおすすめします。 また、「カットまで任せてもらえるのか、それともシャンプーや爪切りだけなのか」も面接時に必ず確認してください。

4. 独学で勉強する

先ほど詳しく書いた通り、独学でトリマーになることは可能ですが、自分自身を客観視できるタイプの方に限られます。

メリットは、お金がかからず、自分のペースで進められることです。 デメリットは、技術の正解が分からないまま進んでしまうリスクがあることです。

独学を選ぶなら、できれば早い段階で未経験OKのトリミングサロンに応募して、プロの現場で技術を磨くのがおすすめです。 独学だけで完結させようとするとほぼ確実に挫折します。

5. 通信講座を補助的に使う

通信講座は単独では不十分ですが、上の4つのいずれかと組み合わせて、犬の知識を補強する用途であれば価値があります。

たとえばトリマー塾でカット技術を学びながら、通信講座で犬の健康やしつけの知識を補う、といった使い方です。 この使い方なら、通信講座のメリットを活かせます。

働きながらトリマーを目指す方への現実的な道筋

社会人として働きながらトリマーを目指したい方の相談は本当に多いので、現実的な道筋を整理しておきます。

一番現実的なのは、トリマー塾の土日コースか夜間コースに通うことです。 平日は今の仕事を続けながら、週末にトリマー塾でカット技術を学ぶ。これを1〜2年続ければ、ある程度のレベルまで到達できます。

その後、勤めている会社を辞めて、未経験OKのトリミングサロンに転職するか、自宅でこじんまりと開業するかを選ぶことになります。

費用面でハードルがあるなら、トリマー塾と並行して通信講座で犬の知識を補う方法もあります。 ただし、繰り返しになりますが、通信講座だけでは不十分です。

時間とお金が両方厳しい方は、いきなり未経験OKのサロンに飛び込むという選択肢もあります。 ただし、ここはサロン選びをしっかりやらないと「シャンプーだけで何年も終わる」リスクがあるので、面接時にカットを任せてもらえる時期を必ず確認してください。

トリマーになった後のキャリアと年収

「トリマーになる方法」と同じくらい大事なのが、「トリマーになった後の現実」です。

雇われトリマーの平均年収は約380万円で、決して高い水準ではありません。 ただし、独立開業すれば年収500万円〜1,000万円以上を目指すことも可能です。

詳しくは以下の記事で、雇われ・独立それぞれの年収のリアルを解説しています。

トリマーの年収はいくら?雇われと独立開業の収入を経営者が解説

将来的に独立開業を目指すなら、トリマーになった瞬間から「自分の店を持つこと」を意識して経験を積むのがおすすめです。 カット技術だけでなく、接客、集客、店舗運営の感覚を勤務時代から身につけておくと、独立してからの立ち上がりが全然違います。

トリマーが独立するには?決意してから開業までにやることすべて

まとめ|通信講座だけで終わらせない

通信講座でトリマーになるのは、結論として現実的ではないです。 カット技術は実技でしか身につかないので、必ず実技を学べる方法を組み合わせる必要があります。

トリマーを目指す現実的な選択肢は5つあります。

  1. トリマー専門学校(時間とお金に余裕がある方の王道)
  2. トリマー塾(社会人向けの第一候補)
  3. 未経験OKのトリミングサロン(お金に余裕がない方の選択肢)
  4. 独学(自己客観視ができる方限定)
  5. 通信講座(単独ではなく補助的に使う)

自分の状況に合わせて、現実的な道筋を選んでみてください。 焦って最短ルートを選ぶより、着実にカット技術を積み上げる道のほうが、長期的には絶対に近道です。

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